舞い散る日々のなかで踊れ

散財していくタイプのおたく。

ユーリ!!! on ICEは沼。知ってた。

は~~~ついに観てしまった~~~「転がり落ちる未来しか見えないからやめる」とか言ってたけど、しごと逃げたすぎて「なんかくれ…あたらしいときめきくれ…きれいなやつ…」と思ってプライムで一気観しちまった~~~!!!

どうも。どこにでもいるジャニヲタ兼アニメ好き、いくつになってもヲタ卒できない昭和生まれのBBAです(金なら出す)年甲斐もなくヲタしててごめんなさい

さて……冬アニメも始まっているなか『ユーリ!!! on ICE』観たよ!!放送も終了して今更だけどさくっと感想書きます。さくっとで済むのか。結論から言うとこれはおそろしい沼です。

フィギュアについて専門知識は皆無で、わかるのは武内直子先生の「THE チェリープロジェクト」という作品で覚えた技の名前くらい。「デススパイラルーーー!?ひとりでーーー!?」ってかんじの超次元スケートマンガです。あとアルベールビルだったかな、伊藤みどりさんに幼いながらに憧れて、あんときのフリーとエキシはテープが擦り切れるほど観て畳の上で真似してました。半回転しかできてないのに「トリプルアクセルっ!」とか言ってな。傘持って出てきてレインコート脱ぐやつ好きだった。25年前?こわい。

まあそんなかんじなのでプログラムの構成や難易度、大会の仕組み、わかる人にはわかるよっていうフィギュア的小ネタとかはよくわからないまま観ていました。そういう詳細がわからなくても勇利のフリーは毎回泣けるところまで届いてくるすごさ…!特に最後のステップのところとか。なんならそれぞれの選手がそれぞれの感情を乗せて滑るからどれも泣いた。第6話の中国大会でレオくんがSP中に「音楽に出会わなければどうやってこの魂を勇気付けていただろう」って言うところは泣きながら「それな(語彙力紛失)」しか言えんかった。

プログラムの曲はほぼオリジナルらしいですがこれすばらしいですね!!勇利のフリー曲『Yuri on ICE』とヴィクトルのフリー曲『離れずにそばにいて』はずば抜けて素敵だと思うのですが、JJやピチットくんの曲も好きだしユリオのピアノ協奏曲…!!ピアノ協奏曲を今時アニメオリジナルで作るなんてもうおどろきでしかなかった。あ、でも地方大会で誰かがメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で今滑っているのかな?って場面もあったし、いくつか既存曲も使われていた。しかも第三楽章。世界でいちばん好き。

オリジナル曲のサントラ軽率に買いそう。どんだけエイベたんに金を落とせばいいのか…(当方キスマイ担)

 

 

 イメージとしては、ヴィクトルをコーチに迎えて日々の練習をメインにして勇利くんが成長していくお話かなと思っていたけれど、5話からもう公式戦がはじまって、GPシリーズに至っては選手皆のプログラムに時間を割く作りでもうびっくり案件。そこまでちゃんと観れるなんてまじかよ…作画班生きてたんだろうか…ともう放送終了した作品の心配してしまった。大きなお世話だった。勇利もユリオも確かに話数ごとにどんどん変わっていくのだけれど、ベテランと天才っていう設定だし、新人が努力して初めて大会を目指すって話じゃないからか、超スポ根感はあまりない。だけど感情が表現に乗るスポーツだからなのかなあ…このアニメすげー泣けるんだよね。正直、騒がしくなっている界隈のところから断片的な情報を拾っていたせいで誤解していたんだよわたし。サービス精神旺盛系のやつなのね、って思っていて、まーた旬ジャンル爆誕してしまうのかーみたいな。

サービス精神旺盛な面があるのは否めないし、ちょっとやりすぎじゃない?とは思うんだけど、そんなことよりも作中で一貫して「愛」と呼ばれている勇利をとりまく感情がもはや「愛」でしかなかった。しかも分類も名前をつけることもできない愛のかたちってかんじ…とくに勇利とヴィクトル。今までこういう人間関係を人生で築けたことがないって思ったらずどーんと来たもの。自分はわりと勇利に似ているところがあって、普段から自己嫌悪に陥ってばかりなんだけど、こんなんじゃだめだって思わせるなにかがこの作品にはあったんですよね。

わたしは元々フィルターもちなので(なんのかは察してください)ニヨったり「は?????????????????」からの墓ってなることがないって言ったらそれはうそです。でもそういうのを通すのが申し訳なくなるくらいの純度とでも言えばいいのか…観終わった日からずっと周りの人のことやこれからどうするべきかということを考えてしまう。色々と揺さぶられすぎてちょっとどうしていいかわからなかった。安直に考えてたところに爆弾くらったかんじ。

 

ちなみに個人的神回トップ3は以下になっております。

1.第7話

6話と合わせて一番泣いたかもしれない。勇利の「僕が勝つって僕より信じてよ!!!」からのあの驚愕のフリー。中国大会がいちばん好きかも。終盤立て直して3-3決めたときのヴィクトルの神的にかわいいびっくり顔も最あんど高だし、フリップ飛んでフィニッシュに向かうところにかかってくる実況もすごく良くてエモすぎ泣いた…ってなっているところに最後のあれ…誰かー!恋(星野源)持ってきてーーーー!!!

ちょっと違うかもしれないけど、逃げ恥の公園での「ハグしていいですか?」の場面みたいだなあと。溢れすぎて言葉にならない感情の伝え方というか。勇利とヴィクトルはハグは四六時中してるからこれしかない。

ここまで言ってると後づけにしかならないけど、ここから本当の意味で選手とコーチという関係が始まったんじゃないかと思った。

2.第12話

最終話。言葉にならない。これが桃源郷。と言いつつそのあたりは後述します。ファイナルのFSはどのスケーターもすごく良くて、勇利はもちろんなんだけど(送り出したときに一瞬引き留めるような動きをしたヴィクトルの手から離れてリンクに向かう勇利がフィニッシュで指を伸ばした先がヴィクトルっていう描き方はやばみが過ぎる)オタベックのあの語りからのユーリという流れが圧巻だったし、ユーリの気迫と涙~~~;;;;戦う人だ…それに当日の朝のユーリとヴィクトルのやりとりに詰まってるすべてが好き。

3.第9話

ユーリの優しさが滲む回。ヤンキーだから口悪いけどめっちゃ優しい子だし、勇利の存在や長谷津でのできごとはユーリの中ではすごく大きかったんだなあ思えてすごくアガペーな気持ちに。例の空港でのシーンは、ん???って引っかかったところのほうが大きかったし、勇利からは悲痛さが漂っているし、マッカチンの件は良かったけどたぶんふたりに関してはここから大きくずれちゃったのかなあと最終回まで観た今となっては思う。

あと特筆したいのは10話。ここまで観るとこういう設定でこういう話、と自分の中で組み立ててきたものが一気に壊れてがらりと印象を変えるので、1話からまた観るしかなくてほんとしんどかった;;;;;;(観た)4話の「コーチを引き受けた」に強烈に違和感あったんだよ…ヴィクトルくらいになると、誰もがそう望んでると心の中で思ってると思ってるのか?皇帝ゆえの傲慢?みたいな。その違和感の正体の10話で解き明かされて、勇利もあんなに親しげに声をかけてくれるクリスがいるのに、ピチット君以外親しいスケーターはいませんって顔してるのなんで??ってずっと疑問だった答えもわかった。叙述トリックかよ…10話の特殊ED最高でした。抜群の笑顔でダンスしている画像わたしにも送ってください。見せ方がうまい…普段はインスタでこの回はアプリ起動からのカメラロール…

教会の一件はね。うん、あの、勇利の発想がアメイジングすぎてたおれた。誇張じゃなくてフローリングに。気持ちはわかるよ…拠り所としてのかたちあるものに行き着きたい気持ちはわかる。ただそれはちょっとって…言われたらどうしようって迷いもなくそこに行き着いて実行に移す勇利おそろしい子…!でもヴィクトルは受け止めるって知ってた。

 

9話とかこの10話〜12話冒頭とかがまさにそうなんだけど、勇利の心の声は観ている側にはずっとわかるし、引退の時期のこととかもああこう思ってるんだなっていう前提で観てるから勇利の言葉や行動に矛盾とか突発さを感じないけど、対ヴィクトルになったときの、あれ、このふたり画面外でこの話したのかな、ふたりのあいだでそういう認識になってるんだよね?それを踏まえてこうなってるんだよね?いや、もしかして違う???あれ???なにこの状況は!?!?!?ってこともいくつかあったし、ふたりだけじゃなくユリオも含めて、この表情や描き方はどう解釈したらいいんだろう…?ってことも多くてこっちが大混乱、まって、わかんね〜〜〜〜どこでどうなった…?なにこれどういうこと???ってなってこんなにも頭の中がカオスになったアニメひさびさかも。それなんて人生。やっぱり言葉で伝えなきゃだめだよね…勇利の行動見て自分も反省した。自己完結しててもなんも良くならないし逆に相手も自分もしんどくなるばっかだ。それに正直未だに解釈しきれないところも真意を測りかねるところもあるんだよなー

とはいえ、ふたりがたどり着いた場所があの12話ならもう泣くしかなくない?????離れずにそばにいてデュエットver.…まってしんど…理解と理性が追いつかな…しねってこと????こんなんどうすればいいの????まじでKSK*1なんだけど!!!!!あまりのことに頭沸騰して謎の怒りすらわいてくるんだけど!?!?!?!?夫婦を越えていけ…

実はエキシでこのプログラム選んでましたってこと自体が衝撃だわ。中国大会のときもおそらくソロだろうが画面外で滑ってたってことですよね…でもよくよく考えたら第一話で完コピしてる動画めっちゃ拡散されたんだからある意味皆が一番観たいプログラムでもあるだろうし、ふたりの始まりの曲だから自然なことかもしれない。

最終話のこのエキシちょっと引くくらい美しくて、もしかしてこの景色この世で一番美しいんじゃないかって白目で思うほどだったんだけど、この映像そのままDVDに収録できるのかなー修正入るのかな。噴出しているらしいいくつかの問題はどうなるんだろう…

 

キャラもすごく良かった~~~;;;;勇利の家族をはじめとする地元の人たちがとても暖かい場所だったり、スケーターたちのキャラの立ち方も常軌を逸している…JJ(CV:宮野)とか最高じゃない。名ゼリフ吐きまくってた。「翼の折れたJJ」とか「こんなんじゃ愛が足りねーよ!!!」とか。あと一見関係ないようにみえる他の選手たちのプログラムやエピソードがストーリーのフックになっていたりするのが憎い。

PVだけ観た段階では、ユリオ気になってたけど、終わってみたらヴィクトル・ニキフォロフ一択だった。これまでの推しキャラを考えればヴィクトルしかなかったと今では思えるけど、元々金髪の美形に弱いんですよね。でもユリオもすっごいいいこだったなあ。なんなら勇利やヴィクトルよりしっかりしてる。あの強さ、あの感覚、察しの良さよ…ヤンキーなのにおじいちゃん子かわいい。カツ丼ピロシキんときの笑顔天使か。内山くんもすんごい良かったです。

1話と12話どちらも美しすぎてしんだし、とくにFSのほうのあの序盤のシットスピンのあたりなんて心臓抉られそうになるからもし二期があったらヴィクトルのまじスケーティングをみたい気持ちはあるし、実は枯渇して空っぽで「離れずにそばにいて」を踊っていた人が愛や人生を彩るものやことを知ったらどんな風になるんだろう…って考えると震えるけど、個人的にはヴィクトルが皇帝の座から陥落するのをみたくない気持ちもあるので、完結しない物語ほど美しいものはない、でもいいかなと思っている。「ワールド5連覇くらいしろ」って言ってるから本人はいつかその時はくる、と覚悟しているのかもしれないしそんなことは大事じゃないかもしれないけど。

というか11~12話のとき本人的にはどういう風に考えているんだろう。最初は単純に勇利を見ているうちにスケートへの情熱やイマジネーションが戻ってきたところにユリオのファイナルのSP見て火がついたのかと思ってたんだけどもしかしたらそうじゃなくてあの後ろ姿は世代交代の時期だって悟ったのと、これまで自分が一番だと思っていた人がよくよくいろいろなスケーターの演技を客席から新鮮な感覚で見てみたらいろいろな発見があることを知って、これからもしばらくは勇利見る予定でいるからコーチ業や振付師への転換に傾いていたのか…基本的に勇利目線に添って描かれるから、前者は勇利がそう感じたってだけかなあ。そもそも彼はヴィクトルをロシアへスケート界へ返すべき人だと思ってるし。このへんが心の動きが未だにはっきりわからないんだよね。わたしがバカで深みのない人間だからかもしれんが。

でもやっぱり12話の「競技者としておもしろくない」の言葉を額面通り受け取ると、やっぱりヴィクトルがスケーターとして蘇生したんだろうな。で、ヴィクトルがプログラム的にも点数的にもやりきった感で満ちている勇利を引き戻すことを託したのがユリオって解釈でいいのかな。ヴィクトルの復帰じゃ喜ばせることはできても戻せないって悟ったってことだよね…?

元々勇利はヴィクトルを崇拝していたスケート人生だし『Yuri on ICE』滑るときにもヴィクトルのことしか考えてないからわかるけど、ヴィクトルのほうももはや勇利のいない世界に意味などないくらいの勢いで「離れずにそばにいて」なんですね…なんだろう共依存?いいね!!そういうの大好きだよ!!!!ちがう、そうじゃない、あ~~~~~自分のフィルターが憎い。あえて名前をつけるとしたらソウルメイトとかそういうかんじかなあ。つーか記憶消してまっさらな状態でこの作品もう一回観たいです。

リアルタイムで追いかけた方々すごいね!?わたしこれリアタイしてたら一週間考えすぎて心臓もたなかったかもしれないし、放送日のたびにしんで繁忙期乗り越えられなかったかもしれない。逆に乗り越えられる糧になる可能性もあるけどこれはたぶん毎週抜け殻になるやつ。結果良かった。

ほんとあんまりめんどくさがってないで真面目に向き合わないとだめですね。「踏み込んだぶんだけ踏み込んでくれる」に目が覚めた。

は~~~円盤買お。仕事しよ。

 

*1:結婚しろください