舞い散る日々のなかで踊れ

散財していくタイプのおたく。

鉄血のオルフェンズ終わっちゃったねってはなし。

最終回が終わって一週間近く(既に現在は二週間経過している)経とうとしている。「3月のライオン」とともに半年間きっちり見続けました。こんなに真面目にアニメ観たのは久しぶりだよ!どちらもかなり心のひだを揺らしてくる作品だったからしんどかったけれども。ちなみに2クール目のはじめあたりでユーリも一気観したからそのころ精神的ダメージすごかった。

思えばオルフェンズを観始めたのは2期直前にキスマイの宮田くんが出ていた特番を観て魅かれて1期を観たことからなんだけど、本当におもしろくて夢中になった頃のことを思うと、ここ最近の月曜日はいつも鬱、みたいな展開になるとは予想できなかった。わたしはガンダムに明るくないので、こんなもんやでって言われたらそうなん?としか言えないんだけどそのあたりはガノタの皆さん的にはどうなのでしょうね。

一週間経つんだけど今も虚無&虚無ってかんじ。とりあえず完結するまでは多くは言うまいって思ってたけど完結したから、なんとなく思ってることを書いてみる。

うーんと、まずは、鉄華団としてはなにも引っくり返らないまま終わったなあ。

一視聴者としては、どこかでかならず一矢報いる瞬間があると思っていたんだけど、なかった。ただのひとつもなかった。わたしがそれを信じてたのはたぶん、シノがダインスレイヴを打ち込もうとしたあたりまでかなあ。あれが完全に成功してラスタル&イオク様を葬れるとは思っていなかったし、シノヤマ(あえて書いていく)による露骨なフラグが失敗の予感しかさせなかったし、教科書どおりのフラグ回収を鉄則としているようなオルフェンズのことだから、まあ予想は容易だったけど、なんらかの楔にくらいはなってくれればって願ったけどそうでもなかった。このあたりから活路を見出す→失敗で誰かの死か損害のループになってきて、こちらとしても「こんな作戦あるぞ」とか「金あるぞ」とか言われてもあーはいはいこんなうまくいくわけないからどうせぬかよろこびに終わるんでしょって気になってきて、もう絶対悪いことが起こるのはわかるからストレスマッハってかんじで、結局そのとおりになって救済されないストレスがそのままストレスになり月曜日に鬱となって襲い掛かるっていうのがパターン化。まさにアニメ的なご都合主義はいっさいなくひたすら現実のやるせなさを見せてくるアニメを観て現実に立ち返っていくのはわりとしんどいよね。

1期の観たときの感想の記事を読み返すと、全滅ENDになりそうだったのにラストぬるくない?あんなに都合よくいく?とか言ってるので、まあいつのときも視聴者(てかわたし)ってやつは勝手だなと。でもあの1期のラストがあったからこそ、これは生きていく物語だと思ったんですけどね。いのちの糧は戦場にあるというから、生きるために戦うんだって思い込んでた。だけど戦うんだからそりゃ死もあるよね…それしか前に進む方法を知らないんだから至極当然か…

ただ、引っくり返せなかったとは言ったけど、最後の希望だった地下通路は生きていたし(実は使えませんでしたってなるんじゃないかってわりと本気で思ってた)大半が生きてクリュセに到着してIDを書き換えて新しい人生を踏み出せているのはある意味引っくり返ってるのかもしれない。

今、全話リストを眺めつつ、さっくり振り返ってみると、いちばん悲しかったけど二期でいちばん好きな話は第40話「燃ゆる太陽に照らされて」かな。あんなに二次キャラを憎むことがあるのかっていうくらいイオク様が許せなくても、姐さんの「輝くためさ!」にしびれすぎて泣いた。名瀬さんが跡目争い?というか抗争で退場するかもってことは濃厚だったから覚悟もしてたし、つらいけど40話はそれも含めてストーリーとしてすごくおもしろかったなあと今思う。 

ただラフタは鉄華団に入るもんだと思ってた。愛のために恋を選ばない、みたいな選択の果てにあんなことになるなんてショックの極みだったんだけど、ラフタじゃなかったらアジーさんだっただろうし、どのみち道筋は変わらなかったんだろうな。

特番で号泣していた向さんを見て、死んじゃうのがラフタだったら最大に凹むなあと思ってたんだけど、そのとおりになってしまった。

じぶんのツイッターを見返してみると38話のときに「オルガが一生後悔する選択になるんじゃないか」みたいなことをつぶやいている。なにを指してるのかは今となっては定かじゃない。おそらくマクマードさんに盃を返したことと、火星の王の話について名瀬さんと話しているところ、MA戦で三日月が足をもっていかれる結果を招いたことまとめてだろうな。一概にオルガが悪いってわけじゃないんだけど、ユージンが言うようにぜんぶ背負っちゃってがんじがらめになってるというか…41話でマクギリスにすがるみたいに「使い道はあるか」ってオルガが言ったときにはもはや「これ精神的自殺だろ…」ってやばみを感じたし、ユージンが「考えはおなじなのか」って問うたときに「そうだ」って言ってたのやけくそ感否めなかったよ。そのあと「名前がなんでも場所がどこでもバカ笑いしたい」って腹を括ったのは良かったけど時すで遅しでもう時代の大きなうねりに巻き込まれていく(マッキーが意図的に引いた引き金とはいえ)しかなかったように感じる。オルガが悪いわけじゃなくて、もうどうしようもない流れ。そういうのって歴史の中でも何度も繰り返されてるやつ。なんかもう新撰組みたいだなって。あんまりくわしくないし薄桜鬼と燃えよ剣の知識で言ってるごめん。

こういうかたちで敗者として描かれるのはいちばんきつい。正義と悪じゃなくてほんとに勝者と敗者でしかないから。結果的に敗者となった鉄華団の誕生から見てるわけで、生活があって家族があって生きていくための戦いがあって守りたいものがある、それを4クール分知っているからこそのやるせなさね。

つーかオルガなんてあの終盤でモブにパンパンされたんだぜ…あのオルガ・イツカだよ!?ほぼ主人公だよ!?任侠ガンダムって言ったってそんな退場ある???殺せばいいってもんじゃない。てっきりノブリスが指示したのかと思ったんだけどモブが勝手にやったとか…忖度かよ…というかなぜ防弾チョッキを着ないのか。なぜ鉄華団ブルゾンを着ているのか。ねえ国際指名手配されてなかった…

トーリー上全滅ENDでも仕方がない状況になってたしそれならそれでもいいんですよ、オルガが死ぬこともべつにいい、だけどそれでも見届けようってこっちが覚悟して作品に向き合えるような描き方ってもうすこしあるんじゃない?ってあのときは本気で冷めた。殺せばいいってもんじゃない(二回目)たしかに現実的に人は死ぬときはあっけなく死ぬし、いくらリアリティを描こうとしているとしてもやっぱり物語を作っている以上多少はね…現実にありがちなことを日常話でない物語に落とし込むうえでうまく昇華できていない気がした。

まあざっくり言えば生き抜いた結果なんだろうな。果たすべきことを果たしてそれぞれがいのちを使いきったんじゃないかと思う。これから新しい道を歩いていくメンバーはきっとまだ道半ばで、これから果たすべきことがあるってことなんじゃないのかなあ。と言ってしまうと三日月と昭広は戦場でしか生きられなかったってことになっちゃうから悲しいんだけど。だけどバルバトスもグシオンも最期の最期までほんとうにかっこよかった。

いのちを使いきるってけっこう自分の人生の命題でもあって、よく人間は脳の能力を10%も引き出せないみたいな話を聞くけど、それを11%にするくらいにはもがいて生きて死にたいと思っているので、わたしの解釈でしかないにしろ、そのへんは響いた。

響いたと言えばライドの選択も。ライドが進みだした人生はオルガが身を挺して守ったものだし、復讐なんて誰も望んでも喜びもしないって本人もきっとわかってるんだろうけど、落としどころがつけられないからああするしかないんだろうな。行動はべつとして、その気持ちは世間のスタンダードにおける善悪や正誤じゃはかれない気がする。

鉄華団に関してはそんなかんじかな。あ、あとユージンはクーデリアの右腕になってたけど、彼に関しては生き残るだろうって「見えない明日で今日をすり減らすんじゃねえ」って台詞で確信した。2期中一番すきな台詞。おやっさんの「考えることやめんじゃねーぞ 」もすき。たぶん道をわけたのはこういうところにあるかもしれない。

いまからNLの話に触れるので嫌な人ごめん先に言っときます。

あのあとユージンとクーデリアってなんかないかなって。いまのかたちがクーデリアにとってはしあわせだとしても、べつのかたちのしあわせの可能性もあっていいんじゃないかな。クーデリアはアトラも三日月のこどもも守るって約束してたしそうしてるみたいだけど、そんなクーデリアを守ってくれるひとがいてほしい(個人的願望)こっそりミカクー勢だったんだけどさ…途中で撃沈したからさ…まあみんな愛、みんな家族でいいんだけどね。

クーデリアは成長したのに二期ではほぼ蚊帳の外になっててクー様勢としては残念だったし「わたしだって鉄華団の家族だったはずなのに」ってつぶやくところは切なかった。賛否あるみたいだけど3人でハグしあっているところわたしはきらいじゃない。まあ「クーデリアさんも三日月の赤ちゃん作りましょう!」はちょっとあれだけど「約束ってあるといいなって思って」って三日月が言うのは意外だった。でも約束って残酷でもあるな。

結果的に三日月はこどもがいても遠くにいってしまったけど、彼なりにそれによって繋げるということができたんじゃないのかなと。世代という意味でも人との関係という意味でも。とはいえオルガありきの人生だった本人は無自覚なんだろうな。オルガとの出会いがじぶんが生まれたとき、最後は「とっくに辿りついてた」だし…そんなんほんとうは「なに言ってんだおめーこれからだよ!」って肩揺さぶりたかったけどさあ…

ここまで書いて下書き保存しているうちに、Twitterでクーデリアとアトラが同性婚していたという事実をトレンドで知って頭抱えた。

同性婚があたりまえの世界ということ自体はいいんだけど、それならシノとユージンの回想でユージンが「えっそういう?」って言ったのはなんだったんだ。認められてる世界なのであればそこでユージンが疑問を呈する描写はおかしくないか?シノがおっぱいに埋もれて死にたいって言うほど女好きだったから?

もっと言えば怒りの中で生きてきたマクギリスってなんだったの???だからこそのあの精神的な成長とまっちゃってるマクギリスが生まれたのではないのですか。

ユージンの台詞もそうだし、マクギリスの設定からしてまさかそんな世界だなんて思えなかったんだけどね。思い切り男女の恋愛だの結婚だの描いてましたやん。なんなら今、名瀬さんのかっこしてタービンズ率いてるアジーさんはみんなと結婚してるんですか???ってはなしにもなってこない???(こない)

あのあと認められたというならアッハイってかんじだけど、まったく匂わせもしていなかった情報を後だしされても困惑の極みでしかない。

そうそうそのマクギリスなんだけどさ~~~彼って一期のときあんなキャラだったっけ???目的を果たすために危険因子を入念に排除して何手先まで理詰めしていくタイプのキャラだと思ってたのわたしだけ????

バエルっていったいなんだったんだろう。バエルとかアグニカとかあんなに口にするからなんらかの特別なすごい力があるんじゃないかって思うじゃん。バエルを動かせたのわたしだけ、って言ってたけどそれGHでは忌むべき阿頼耶識つけたからそりゃ…象徴を手に入れてバエルの威光だけで押し切ろうとしてたなんて冗談きついわ~~~~~でも悲しいよね。本当にこどもみたいだもん。いや、わかるんだ。マッキーの言ってること自体はわからないわけじゃない。かたちのあるものや目にみえてわかるものだけ(力の強さとか)を正しいと思う、それだけが信じられるってこととか、誰にでも平等に権利が与えられる世界っていうのもわかるんだけどさ…だけどマッキーがやったのは革命じゃなくて革命ごっこなんだ。怒りによってのみ突き動かされる信念って激しいけどただそれだけなんじゃないかって思う。感情や力(べつの側面からすると暴力)だけじゃ世の中変わらない。知ってた。

でもマクギリスのこときらいになれないし石動さんのこと愚かだなんて思えない。持っている者は持っていない者のことはやっぱりわからないんじゃないかなって。アインはちがったぞって言いたいんだろうけど、そもそもガエリオさんそういう階級の出身者アインくらいしかよく知らないでしょう。たまたま出会ったアイン、そのアインもたまたま上官がクランクニ尉のようなひとだったからあんなふうに生きたけど、ちがったらそれこそマクギリス革命軍にいたかもしれないし、じぶんが知っているものがそうだからすべてがそうだというわけではないと思う。それでもこのあたりは出会いもすべてそのひと、そのひとの生き方次第、というかんじなのかな。だけど確実に搾取される層っていうのは存在していて、その目線で物語を観ているわけだからやっぱガエリオまぶしすぎる…正しすぎてつらい。

尊ぶべき感情を説いていた彼は誰より主人公らしいし、すこし前のアニメなら当然主人公に据えられてたと思うんだけど、それだけでもまたこの世を渡っていけないのが事実だったりする面もあるので、生き方それぞれ正解はないのでは、と多面性を見せてくれる群像劇らしいところはすきだった。

 ラスタルジュリエッタに関しては必要なことをあたりまえにやっただけ、って認識なんだけど、もうすこしラスタルおじさんの内面を最初から小出しにしてくれればここまでストレス溜めることなかったんじゃないかなあ。あえてそうしていたのかなあ。なにを言おうと、勝ったほうが正義でしかないからもういいけど、ダインスレイヴ乱発はどうかと思うよ!濁の部分があまりにもきれいに隠遁されすぎじゃないかとは思うよ!ただクーデリアや残った鉄華団もそれはおなじなんだろうし、現実世界に於いても非常によくあることとして理解している。

 これどうすんの!畳めるの?ばかなの?(小声)ってなったことも道中ではかなりあるし、手放しで最高の作品だよ、とはもう言えないんだけど、すごい作品だったしいい作品だということは確かなんじゃないかと。ただもう夢も希望もあったもんじゃねえな!二次元ってなに?ってくらい現実的な作品で、今の世の中に置き換えても「ああ…」ってなることも多くてしんどかったな。現実はなかなか救済がないから二次に夢を見たいし力をもらいたいんだけどね。エンタメにむかって現実ってこんなもんだよね、ってつぶやくのってなんだかむなしいじゃない。

オルフェンズが言いたいことってなんだったんだろうね。思い浮かぶことって言ったら

・利用される人間よりも利用する人間たれ

・そのためには夢や理想よりも現実を語れ

・現実を語るにはそれなりの、しかも極端に偏りのない勉学と知識が必要である

・清濁を併せ飲むことが社会で成功する第一歩

とかなんだけど。うん、まあそれもそうなんだろうけどさ。なんかね。