舞い散る日々のなかで踊れ

二次元とジャニーズを主食に生きてる。

2016年ヲタ的備忘録②書店員によるマンガ界隈のこと。

前回の続きのようなもの。今回はマンガとかちょっとアニメとか。

 本が売れない、書店が消えていくという話はよく聞く。実際むかしに比べたらそうなのだろうと思う。いろいろな趣味がたくさんある時代だし、たぶんもう本は一大娯楽ではなく嗜好品になったのかも。

電子書籍インターネット書店の台頭で書店が…というのもよく聞く。これはもう時代の流れと世相というほかない。もちろん諦めたくはない気持ちも存在はしている。

電子書籍で連載しているマンガが単行本化してレーベルや作品がどんどん増え、店頭の棚やスペース開けに四苦八苦するときに、本はスペースを取るから、ある程度自宅にそういう場所が確保されていなければ増やし難いものになっているのではないかと最近よく考える。実際じぶんも大きい本棚を買い直したけれど部屋はさほど広くないからこれ以上増えたらどうすんだ状態。土地も高いし家賃も税金も高くなっているのに給料はあがりにくい昨今、広い家や部屋に住むこともなかなか難しい。だから断捨離がブームになったのもわかるし、電子書籍に移行していくのも納得かも。所有が難しくなっている時代というかんじ。もっと単純に趣味にがっつりお金を使えないという景気の悪さもあるのかな。消費しろ物を買えと言われたって元手がなきゃねえ、とはわたしも思う。

インターネット書店に関してはもう在庫量にはかなわないし、出かけなくても買える店頭では買いにくいものも買えるとか大量に買っても持ち帰る労力がいらないとかもうメリットだらけじゃない!と思う。デメリットは今すぐ読みたいが叶えられないことくらいだが、〇ライムみたいなサービスもあるからどんどん垣根がなくなっている気がする。

そんな業界でもなんで諦めたくないなあと思いつつ書店員をしているかというと、だいたいが書籍やコミックをあいしているという以外にない。個人的に本は熱量そのものだと思っているので、とくに紙でできたもの、紙の匂いがしてインクで印刷してあって手に重みが落ちるものであってほしい。単なる個人の矮小なこだわりのはなしで、電子書籍がそうじゃないと言っているわけではない。

文芸作品にしろ実用書にしろコミックにしろ、作者の方がいのちを削るかのごとく書いて熱量をかたちにしたものだと思うし、雑誌だって情報をくまなく届けるっていう熱意にあふれているのだろうし、出版社に勤める方たちもきっと良い作品を世に送り出したいって思っているのだろうなと考えているので、すごく熱量がこめられたそれをだれかの手に届けるというもたぶんこの仕事が楽しいひとつの理由。下がり気味とはいっても、まだまだ書店に足を運んで購入してくださる方はいらっしゃるので、それを必要としているだれか、もしくは必要とはしていなかったんだけどたまたま書店で出会ってしまっただれか。書店は末端だからこそ届けているという感覚がつよい。それに偶然の出会いなんてインターネットではあまりない店頭ならではのつよみだと思うし。むしろ即行性とそれが書店のだいたいの存在意義なのだろうとじぶんは感じているし、そういう出会いを作りたくて日々仕事をしている。

 

前置きが長くなってしまった。

 

もともとマンガは好きなのだけれど、なんというかまあ、趣味というより今は商材なので、火がつきそうだとか、棚に差すより積むほうが目に止まりそうとかそういう観点で見てしまうことが多くそこが悩ましい。正直個人的な嗜好からすれば読まないジャンルでも「これは売れるべき」と思うと推すし…好きなのは変わらなくても、むかしのようにただ純粋に探すってことができなくなっているのは感じる。そんな膨大な作品群の中でも個人的に今年印象的だった作品やできごといくつか。ランキングとかではない。

 

BLEACH(〜74巻 完結)

昨年から長期人気連載が軒並み終わっていくジャンプから今年、大好きな作品がついに去ってしまった。さみしい。だけど最後はなぜあんなに急ぎ足になってしまったのだろうか、というのは少々疑問。少なくともまだあと最低5巻分くらいはあるのではないかと思っていたので吃驚である。まあもっと読みたかったっていう未練かな…ん?これはスピンオフネタ?って思わせるような締め方ではあったのでまさかBLEACH2ndある??

空白などと揶揄されがちなあれを行間だと思っているくらいにはセンスに惚れこんでいたところも大きいので久保先生ご本人が描くなら読みたさある。が、今はまずお疲れさまでした。近々の巻では71巻収録のマユリとネムの件が最高だった。

BLEACH―ブリーチ― 71 (ジャンプコミックス)

BLEACH―ブリーチ― 71 (ジャンプコミックス)

 

ジャンプコミックスと言えば、春頃に『暗殺教室』の特典で実写映画の写真を使用したしおりをお渡していたのだけれど若い女の子から「これの山田くんバージョンないですか」とよく聞かれたのがジャニヲタ的には思い出に残っている(リバーシブルだったので、殺せんせーの面をひっくり返すと渚役の山田涼介くん)

 

・かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳心理戦~(〜3巻)

めずらしくラブコメ読んだ。両想いなのに自分ではなく相手から言わせたいがために繰り広げられる男女ふたりの脳フル回転の思考の読みあい、心理戦や舌戦がアホくさいしギャグかよなのだけれどもついニヨニヨしていした。常人以上の思考力のせいでななめ上をいってしまったり、恋愛においては初心者レベルでぽんこつだったりしてお可愛いこと…ふたりを取り巻く書記の藤原さんやかぐや様の近侍である早坂さんもかなり良いキャラクターだし、さらっと読んでわらえる軽さが気に入っている。この手のジャンルってかネタは引き伸ばししすぎるとおそらく失速するのでそのあたりが来年どうなるんでしょ。

www.s-manga.net

 

・不滅のあなたへ(連載中)

今年の夏に映画も公開された『聲の形』の大今良時の新連載。誰かによって世界に投げ込まれた「球」が物体を写しとって変化していく過程をその誰か(神?)が観察しているような1話からはじまる。未読の方はとにかく試し読みの1話読んでくださいとしか。姿は写し取れてもそのものにはなれないし、何も知らない球が出会いや経験を通して様々なものを獲得していくのが本筋ぽいけどそうしたら不死である球は最終的にどんな存在になるんだろ…球と違って生き物はいつか死んでしまうから、それこそたった一度の人生をどう生きるかってのが命題だったりするので、その対比も表現されるのかな。出版社の推しもネットの声もすごいけれど、この作品は1巻(1月発売)から劇的に跳ねる大ヒットになるか、それとも今後読む人を選ぶかどっちに転ぶのだろうと先行きが今いちばん気になっているある意味化け物のような存在の作品。きれいな絵で見せる哲学めいた世界観やよくわからんがすごい、みたいなものに圧倒されるようなところは確かにあると思う。わたしは1話を読んだときになぜかファイアパンチが脳裏をよぎった。1話掲載時の表紙の煽りを見るに、手塚先生に挑むって意味かなあ。火の鳥

www.shonenmagazine.com

 

・中間管理職トネガワ(~4巻)

これはカイジを知らないとおそらく面白さが半減……だが……!知っているひとが読めば……!実に愉快……!痛快……!圧倒的痛快っ……!

というかんじ。カイジ好きな人はみんな読んでいるのでは。

カイジに出てくる帝愛の利根川さんが主人公の公式スピンオフ。福本先生ご本人の作品(ご本人が描いた話が特別収録されている巻もある)ではないけれど、アシスタントの方が描いているらしく福本作品の絵柄はもちろん色や特徴そのままにギャグに落とし込んでいる秀逸な作品。ギャンブル漫画ではなく、利根川さんもブラック企業に勤める一サラリーマンとして、兵藤会長と部下の黒服のあいだで苦悩している面を描く。どこか哀愁や切なさも感じてしまうし、なんかかわいいおじさんに見えてくる。「限定ジャンケン」を黒服がパワポを無駄に駆使して作り上げた資料でプレゼンする回がすきすぎる。この利根川の「パワポ……!」の一言でも意味わかんないくらいわらえた。

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だいたいギャグでわらえるけれど、実際にこういうことありがちみたいなネタで切り込んでくるので、社会人としてはけっこう刺さる面もある。

このマンガがすごい!2017オトコ編 第1位受賞おめでとうございます!!

yanmaga.jp

 

東京タラレバ娘(~6巻)

アラサー女子のHPを削る攻撃力に於いて右に出るものがやはり今年もなかった。最近ありがちな「アラサー彼氏なしの処女が年下男子にアプローチされて胸きゅん歳の差ラブ!」とか「こじらせヲタのわたしがイケメンに告白されてドキドキ恋愛レッスン♥」みたいなノリだったら「はいはいファンタジーファンタジー」とこちらもノリで楽しめるが、これは読むとだいたいタコ殴りにされて精神がサンドバッグ状態だし、泡を吹いて気絶しそうになるか針の海に身を投じるか自ら業火に焼かれにいくか…もはや娯楽作品じゃない。そんな作品をなぜ自ら好んで読むのか?読み終わるとなぜか「働こう」「がんばらなきゃ」と奮起する。そんなパワーがある。というかおそらく「働かなきゃ」「もはや働くほかに道はない」がただしい。

kisscomic.com

実写ドラマになるのは時間の問題だった。ただあの独特なハイテンションと行き場のない焦燥をはたして実写に落とし込めるのか疑問。つーか白子とレバーの声は誰がやるのさ。

 

・あげくの果てのカノン(~2巻)

このマンガがすごい!2017 わたし編』の1位に推したい。

端的に言えば恋愛マンガだけれど、この作品の世界は「ゼリー」と呼ばれるエイリアンに襲来されていて、普通の日常はあってもやっぱり普通じゃない。そんなエイリアンと戦う組織にいる先輩にずっと片想いをしているのが主人公かのん。先輩(既婚者)の行きつけのお店でバイトして再会に賭けたりいざ再会できたら盗撮するわ(これはむかしから)会話密録するわでまあストーカーっぽいところはあってもずっとすきなんです。一生好きでいられるって言いきれるくらい。先輩はエイリアンとの戦闘のたびにからだを負傷して、それを回復させるための「修繕」によって性格や好みが変化をしていくので、かのんが好きになった高校のときの先輩はおそらくどこにもいない。だけどかのんは相変わらず先輩がすき…恋やすきになることに理由はないとはいえ、きっと何かしらひっかかるものや響くものがあるのだと思う。だけどもしもそれがかたちを失ったら、「すき」はどこへいくんだろう。恋に落ちる瞬間に理由はなくても、わたしたちは時にいろいろと後付けをしたがって、こういうところがすき、なんて言い出したりする。人間多少変わることはあってもやっぱり根本にはその人がいるはずだからたぶん安心できるのに、それがまるで変わってしまったら、その根本的なところさえ知らない人になってしまったらすきでいられるのだろうか、と考えるとそもそもすきとか恋ってなんだろう、第一なにを、どこを持って「すき」だと過信し、断言できるのだろう、これまでそうしてきたのだろうと考え込んでしまった。

あと、ここに描かれているかのんの恋は、恋そのものだと思う。個人的には恋はきらきらしたものなんかじゃなく、どちらかといえば醜態だと思っている。もっと言えばありとあらゆる不安定な情緒と感情を煮詰めてできたどろどろに、目に映る世界が変わるほどの眩しさを混ぜてできる振り切れるほどの狂気。表には出さなくとも、ストーカー的な行動には移さなくとも、どこかシンクロする部分が誰しもあるのではないかと思う。

装丁もいい。

www.shogakukan.co.jp 

 

・同居人はひざ、時々、頭のうえ。(~2巻)

今年は空前の猫ブーム来てたねってことで。猫マンガもいろいろと刊行されたイメージ。これまでもねこぱんちコミックスをはじめとしてコミックエッセイあたりでいろいろあったんだけど。

とにかくお転婆な陽ちゃん(猫)がかわいい。ちょっと目つきが悪いところもかわいい。癒される。外出や人と会うのも苦手な引きこもり系低体温男子である飼い主のことを「わたしがまもってあげる!」ってかんじなんだけど、この陽ちゃんも飼い主素晴くんも家族と別れているので、少しずつ近づいて家族や居場所になっていくのかなって話。素晴くんを取り巻く人たちが結構世話焼きで明るく彼とは正反対で、そういうひとたちとの関わりで彼も少しずつ変わっていくのだろうなあ。

comic-polaris.jp

甘々と稲妻(〜7巻)

夏アニメ作品。ふつうにわたしが好きなやつ。癒し。ごはんを誰かと食べるってしあわせでおいしくて、だいたい毎巻やさしくて泣いてる。基本的に飯マンガが好きで、食を通して日常や心の機微が描かれていたらより好きでどちらかと言えば店の食べ歩きよりもじぶんたちで作るともっといい。そういう意味ではこの作品が一番好き。実写ドラマになるかと思っていたが先にアニメになるとは。

 

3月のライオン(〜12巻)

12巻で川本家の父親問題が終結して、息詰まる重さがとれてようやく本来の良さが戻ってきた気がする。いつか川本家の話も描くのだろうとは思っていたけれど、ひなたのいじめ問題のあとに父親の話が予想外の展開で続いて読むのが少々辛いところがあったけれど、12巻でやっぱライオン好きだわ、と思えた。

『3月のライオン』羽海野チカ | 白泉社

 

・深夜のダメ恋図鑑(~2巻)

正直ずっと動きが鈍い作品だったんだけど(うちの店舗だけかもだけど)表紙からしてもう返品するのが惜しくてこういうのは今の時代に受けるんじゃないの…?と思っていたら、2巻発売のタイミングかなにかでネット広告に載ったみたいでじゃんじゃん売れた。女性陣もちょっと環境や設定が特殊であったりするし、登場するダメな男も待って、ここまでひどい人いる?とは突っ込みたくなるんだけど、深夜の女同士の本音がえぐいのはだいたいあってる。さわちゃんとおバカ彼氏のやりとりが1番好き。
www.petitcomic.com

 

ほかにも目を通したものも含めていろいろと読んだ気がするし、続刊があいかわらず安定して面白いものは多々あったけれど、今年は全体的に小粒で、大爆発した作品あったかな?くらいの印象。去年のダンジョン飯みたいな、一年通したマンガランキング系で絶対1位になるでしょ!ってわりと容易く予想できる作品がなかった。話題性という面ではいくつかあったけど、ランキングの上位にはつけてくるんだろうなあくらいで、なんかサブカル層の中だけでもう完結してない?ってかんじだったり…ライト層を巻き込まないと大爆発とは言えないし、たとえはじめはサブカル的なものだったり、濃いマンガ読みの方が目をつけていたものだったとしても浸透していってすごく広がったというはたぶん今年のランキングにはあまりない。情報の共有が早いから、正直瞬発力はあっても持続性がないことも多いし、もちろん良いものだからこそそれが作用しているってこともあるけれど、情報の多さで錯覚に陥ってしまっているものもおそらくある。ランキング自体が販売数や安定した面白さをもつタイトルの選定ではなく、いかに新しいもの掘り起こすかって主旨だろうからそれはそれでいいんだけど、大絶賛されていても店頭で全然回らないことは多々あった。地域性や客層によって売れ筋は変わるから、そのあたりの影響もあるかもしれないけど。

正直アニメ化原作の売れ行きもなかなか厳しくなっているのを感じる。『僕だけがいない街』や『Re :ゼロから始める異世界生活』(ライトノベル)は跳ねたけどもう売れて売れてしょうがないっていう体感があったものは夏頃からはあまりない気がする。

君の名は。』のヒットのおかげか、関連書籍をはじめ、新開監督作品のコミックは好評だった。

個人的にはアニメに関しては続けて観る時間がなかなかとれないのと、だいたい二期ほど前から在庫を確保できるように準備しているので、はじまる頃には在庫が揃ったことに満足していたり、次やその次の準備に取りかかっていて観るところまでなかなか至らない。怠慢だ…

でもこれはきちんと観ようと思って3月のライオンは観ている。土曜11時という時間帯なのでリアルタイムしていたら母親が突如としてはまったwおそらく好きそう、という感覚はあって、以前からこのマンガの話題を夕飯の時間に持ち込んだりしていたのだけれど、やはり百聞は一見にしかず、というのか自分で目の当たりにしないとなかなか引っ掛からないものだなあと思った。ライオンは発表されたときや日常話しているときは、うん?シャフト…?と感じることが多かったけれど、心象風景を描くときはあ〜〜こういうことかと納得だし、このあいだ香子が出てきたときはもう香子さんただのシャフトのファムファタールやんくらいの勢いだった。3か月目にして未だ2巻の途中までしか描かれていないという丁寧な作り方で、いったい何クールで原作のどこまでいくのだろう。島田さんや宗谷さんの声優さんが決まっているところを見ると、2クールはありそう。序盤の中では2巻のラストがとても好きなシーンなので、そこが放送されるのが楽しみ。

それと鉄血のオルフェンズくらいしか観ていないのでわたしもうアニヲタ名乗るのやめるわごめん…刀剣乱舞をプレイし続けていれば花丸を観ていたんだろうなーと思うんだけど、検非違使登場したあたりからめんどうになってきてしまって、ちょうど鶴丸がカンストしたからやめてしまった。『ユーリ!!! on ICE』がちょっと気になってユリオのビジュアルを見たときになんとなく転がり落ちる未来しか想像できなかったので、それもやめたけどフィギュア観るの好きだし、DVDレンタルはじまったら結局観るかも。

趣味(主にジャニーズ)が増えたせいでここ数年どうしても金銭的な比重がそちらに傾くことが多く、4月に二次ヲタ人生一旦完結させるわ的なことを言っていたんだけどなんだかそのとおりになった。それに加えて、アニメにしろゲームにしろ女子の覇権ひととおり通るぜ!みたいな時代はわたしの人生の中ではもう終わったんだろうな。たぶん『Free!』がさいごだった。結局歳かなってところに落ち着いて悲しいねえってはなしなのだけれど、やっぱりめまぐるしすぎてああ、もうむり、っていうのが事実だからしょうがない。前回も書いたけれど、それでもきっとまた「これは」って作品に出会うときが来ると思うのでそのときには全力で楽しみたい所存。とりあえず来年、黒子のバスケの新作映画は楽しみにしている。