Kis-My-Ft2 7thアルバム『Yummy!!』を聴く。
この新しいアルバムのアーティスト写真やジャケットをみて、なんだかキスマイおとなっぽくなったな!と思った。おとな、という表現よりも精悍になったと言うべきかもしれないし、良い意味で落ち着いたとも言えるかもしれない。彼らのこのリラックスした表情には余裕すら感じられる。いい写真ですね。そんな7枚目のアルバム『Yummy!!』を聴いたので感想。
個人的にはデザインの効いたジャケットが大好きで、本人がいるかいないかに熱くこだわることはないので、ぱっと見で初回Aが可愛いなと思ったのだけれど、ロゴシールが外側にしかない…OPP外したらただの白いパイ…ということでジャケットは初回Bか通常が勝利です。と思いきや裏側にちゃんとロゴいりのパイあった。そりゃそうだよね!Aの歌詞カードにインスタ的な食べ物ドレス着たキスマイいたけど、クロワッサンドレスの藤ヶ谷くんがただのギャルであった。
というかavexさんは、某6つ子アニメを自社で扱っているのをいいことにいろいろとオマージュしすぎだ。映像特典「ミュージックドラマバラエティwithアニメ」ってなんだ「withアニメ」って。あれだな~~~ふたつ連続で覇権とったから味をしめてるな~~~とか邪推するめんどいおたく。いや、いいよいいよキスマツ荘。YouTuberみのあるキスマイ。
モニタリングで藤北の話題で地雷踏む宮田さんとか、玉森くんに「その眼鏡似合ってないよ」って言う二階堂くんとか、歌詞カードに掲載された食べ物ドレスの写真を撮りたいガヤさんに「こういう写真撮るためにカメラ買ったの?」って言った千賀さんに笑ったよ!本音屋台でやっぱり藤北は藤北や!と思ったよ!1回しか観てないから感想薄くてごめんね!
ゆるスポーツ選手権はやっぱり最高だし、キスマイTVでは人間的に大丈夫か?って不安になったとこもあったけどおもしろかったよ!若気の至りだよね!でも2016年ぶっこんでくるのは勇気なのか無頓着なのか知らんけどびっくりだよ!!!!!!!!!
さ、本題本題。
『Yummy!!』
1."7th"Overture
キスマイのOvertureのなかでは異色すぎるインスト。レトロさもあるアメリカンでご機嫌なサウンドとともに、ママとちいさなこどもが繰り広げる会話は
「デザートつくるよー」
「やったー!パイ?ケーキ?ブラウニー?」
「HAHAHAおたのしみに~」
「まちきれなーい!」
というかんじかな。そのあと一悶着(デザートのお皿を落としているのかな?)あったりレンジがチンと鳴ったりの末、曲の最後にこの子が放つ「Yummy!!」というキュートな一言でアルバムは幕をあける。
2.Invitation
あいかわらずOvertureから1曲目への入りがいい。間とかそうとう計算してますよね?と思わずにはいられない。このアルバムの世界へ招待する1曲目としても、歌詞もライブのOPを飾る1曲としても秀逸なリード曲だと感じた。ラブソングのかたちをとりながら、ライブでの彼らとファンにも置き換えられるフレーズがいくつも散りばめられている。「10秒で見つけるよ」というフレーズになんか軽、ちゃら、と思っちゃったんだけど、すごいキスマイ感あっていいなあ。「え~~~10秒なんてぜったいうそでしょ~~~♡」って言いたい。試聴の段階では「Baby Love」みたいなファンクかなと感じたけれど、あそこまでグルーヴ感強くなくて、都会的で洗練されているような印象。こういう曲は踊るときに独特な緩急というか、間のようなものも魅せ方のひとつになりそう。そういう曲がつづけて出てきたことは年数を重ねてきた証かな、と思っている。
3.Mr.Star Light
これローラー履くよね???タイトルみたときに、光GENJIみ感じたのわたしだけ?歌のはじまりも「パラダイス」だったからよけいに。まあパラダイス=銀河っていうわたしの発想力もどうかと思うけどさ…ちゃんと歌詞読んだらこれまでの楽曲のタイトルがいくつも織り込まれていた。キスマイ系キラキラアイドルソング。うん、キスマイ、ってかんじ。随所に現れる音の飾り方がavexってかんじ。
4.PICK IT UP
キスマイのシングルのなかでもかなり質の高い楽曲だと思っている。3分15秒からラストにかけてはとくに至高。曲中で繰り返される、あの気持ち悪そうで気持ちよく揺れる音にシャツをひっぱる仕草をシンクロさせていくダンスが決まるのはキスマイしかいないでしょって本気で思っている。
5.Break The Chains
え!なんかあたらしいな…!こういうアプローチの曲って今まであったかな…というのは奥行きを感じるハードなロックアレンジによるところが大きい。はじめはそこばかりに気を取られていたけれど、こういう詞をキスマイが歌うの泣ける。こう言ったら怒られそうだが、キスマイって常に「この時代のチャンピオン目指せNo.1」精神でいるというか、未だにチャンピオンに至っていなくて常にファイティングポーズを取って挑み続けている人たちだなと思う。縛られて、もがいて、戦って、壊してここではない、どこかへ。このハングリー精神!たとえ傷ついても、その傷さえ輝きそう。
6.Toxxxic(藤ヶ谷太輔)
タイトル発表されたとき、藤ヶ谷くんの厨二病まだ治ってなかった…(愛を込めてそう言ってる)って思ったんだけど作詞はご本人ではなかった。これぞ藤ヶ谷太輔でしょっていう伸びのあるボーカルを聴かせるアッパーチューン。この強気な姿勢で否応なくライブへの期待感を煽ってくる藤ヶ谷太輔尊い。
7.蜃気楼
これ試聴したときから期待していたんだけど、なかなかよかった。前々回くらいかアルバムに1曲は入っている洋楽っぽさを追求した楽曲でしょうか。OPから続く流れを塞き止めることなくチルアウト的な役割を果たしている。このノスタルジックな曲調をものにしているのも年数の為せるわざ。おとなになったねえ!
8.カ・ク・シ・ゴ・ト(北山宏光)
試聴したとき、作曲HusiQ.Kさんだろうなあと思った。そうだった。サビでとくに感じる北山節。あいかわらず刺さるせつないメロディメイクはさすが。あと、北山担ころしに来てるなって思いました。
9.セルフィー
セルフィーってまた、現代的なワードきた。いつも思うけど、キスマイってほんと若いよね。あとこういう曲調すきだよね。編曲はともかく、懐かしいメロディラインに乗せてさわやかな恋を切り取るかんじの。
10.青春 Don`t Stop!!
イントロがただただ懐かしい。Jポップ的な、というか往年のジャニーズを感じさせるサウンドも1曲入れておこうってかんじなのかな。
11.Super Tasty!
この曲についてはまず、Mステで披露された玉森くんの「say!いぇーい!」のかわいさに5億点進呈したいということと、トロッコ?お手振り?うそでしょ???ってせずにライブでちゃんと踊ってくださいとお願いしたおしたい。「SOS」をライブでほぼやっていないせつなさ…おたくはああいうのすきだよ!
アルバムコンセプトを端的に表す1曲であることが歌詞とアゲアゲなキスマイポップス感に凝縮されている。
12.Clap-a-Holics(玉森裕太)
圧倒的に優勝。グループではやらない方向性の中でじぶんの好きなものを思い切りソロに振っているような印象の玉森くん。いつのまにこんなに表情豊かに歌えるようになったのか。玉森裕太ずるい!今回も最高でした。圧倒的信頼感!
13.FREEZE
はじまって3秒でかっこいいと確信できる。アーティストが提供してくれる楽曲は、その方の感性で今のキスマイから感じるであろうものがかたちになるのかな、と思うので今回のMIYAVIさんはとくに楽しみにしていた。メロディもアレンジもMIYAVIさん節を感じる表現が難しい楽曲だけれどこういう曲を歌えることは自信になるのでは。ライブで炎焚きそう。FREEZEだけど。
14.赤い果実
赤い果実やっぱり最高。2017年がシングル当たり年だったことをあらためて実感。このアルバムの最高潮は13曲目からここかな。
まあ、このふたりならだいたいの曲も歌いこなせるよね。ぶっちゃけなんか古くさいな、と思ったんだけど、それわたしが歳とっているだけで若い子が聴いたらもう一周してて実は新しいのかな。最近の局地的な音楽ムーヴメントを目にしてそう思うことも多いし、そのあたりがどうにもわかりません。歌詞は刺激的だけど想定の範囲内。
16.友+情を、くっつけて
メッセージ先行なんだろうなあ。歌詞が鈴木おさむさん作というところにもそれを感じる。特典映像ありきでもある。
17.HAPPY☆DAY
ドリフの決めゼリフで始まったかと思ったらゴスペルで終わってた。ライブで手拍子とともに一緒に歌いましょう!ハピネス!な流れになりそう。
【bonus track】
18.We are キスマイ!
ピーチって!キスマイ聴いてみよっかな~って通常盤を手に取ってくれた一般の方には謎だろ!歌割りの妙もキャラ説明も完全におたく向け。とはいえコミケで発見については誰が聴いてもわかるだろうな。宮田さんが世の中にむけて確立したものは大変大きい。ボーナストラックですし、ライブでのC&Rありきの曲だからこれでいいと思いますが。
やりたいことは、とてもよくわかった。7年目になってできることが増えて、表現の幅も広がったからこそ色々な面を詰め込んだアルバムなんだなと思える。キスマイの魅力はこの変幻自在さにある。王道的な面を踏襲しつつもけして王道ではなく、かといって鋭角すぎず間口が広い。悪く言えば中途半端だと揶揄されそうだが、されないギリギリのところを攻めている印象。「yummy」という解釈が広いテーマを用いて、キスマイの多面的な魅力を概ね収録しきっているのではないかと思う。前作は7人それぞれがチョイスした「音楽」を持ち寄って個性をぶつけ合う「闘技場」をモチーフにし、強さが突出したアルバムだったのでかなり好き嫌いがわかれるアルバムでは、と思うところもあった。今回はキスマイのアイドル性を置き去りにすることなく、ある意味原点回帰とも言えなくもない部分や、新しい趣向も取り入れた新旧折衷なまさにアラカルトのような1枚。個人的にはもう一捻りほしい、と思う部分も否めないのが正直な感想である。
前回同様、3人のソロ曲を通常盤のみ本編に組み込むのはどうなのだろう?ボーナストラックではダメなのでしょうか?通して聴いたときに初回と通常で印象が変わってしまう作品を二面性とするかブレとするかは難しいところではある。が、新しい作品として1枚世に出すわけなので7人で全力勝負するべきだとわたしは思う。また、藤北の曲だけを本編に収録しつづけているのはもっと意味がわからない。過去にあった、二人はソロで他はユニットで、もしくは舞祭組の曲を収録したから他はソロやユニットで、というのはまだ理解できたけれど、今はちがう。4人のソロは?「KIS-MY-WORLD」で組んだユニット以外の他ユニットの可能性は?もっともっとやれることはたくさんある。そういう選択を持つことはキスマイにとってマイナスではないとわたしは信じている。セールス的な事情?知らんがな。度外視しろとは言わないけれど、キスマイならできるだろ!と思ってしまうのは平たく言えば愛以外なにものでもありません。
あ、限定シングル「You&me」に収録されていた「HOME」が期待以上に良かった。
いとも簡単に 過ぎた時を君はいつも一瞬で埋める
ほんとうにね。