舞い散る日々のなかで踊れ

散財していくタイプのおたく。

Kis-My-Ft2『LIVE TOUR 2017 MUSIC COLOSSEUM』に行った。

まだツアーはじまったばかりなので、これからどんどん修正点が出てくるのだろうが、わたしはこの公演が最初で最後、5月21日のエコパ二部で観たものがすべてなのでまだ序盤だからとか言う気もないしだからなんだよ、って思うし、序盤とオーラス付近とか、そういうスケジュールで2公演とか入っていたドームコンで「まあまだ始まったばっかりだし」とか言ってたのがそもそも甘やかしなのかもしんない、って思ったことなどを踏まえていろいろ書く。トゲも毒もあるけどキスマイが好きなことには変わりない。復活当選で行けただけでも幸運っていうのも死ぬほどわかっているけど、だからってそこにぜんぶ寄りかかって目をつぶるのもちがうかな、って思う。

 

※ネタバレ注意※

 

去年『I SCREAM』のライブについてのエントリーでも書いたのだけれど、基本的にライブはどこの席にいても楽しめることがまず大前提、と思っているので、その点に関して言えば今回はもう大減点だし、入場した瞬間に席によって「あっ……」ってなるのでもはや本編の構成云々の話じゃなくてその前段階で観客のテンション下げていませんか?と思う。そりゃ「キスマイGO」言ってもらえなくてもしょうがない部分ない?センステのみにして360度観客のセットは今回のツアーのテーマに関して言えばわかりみあるし、納得だった。なにがしたいかも明確にわかる。ただつくりが悪い。他のアリーナがどうなのかはわからないけれど、まずステージが低い気がしたのと、セット上部や上下可動式のスクリーンはスタンドから観るとかなり視界を遮らないのか?という疑問と、闘技場に見立てた四隅の柱はアリーナもスタンドも席によっては相当ストレスにならないだろうか?ということ。実際円の外側あたりの席に入ったのだけれど、柱くっそ邪魔で視界が悪かった。ステージ中央に集まるとなにしているのかわからない。それでもわたしの席はまだ恵まれていたほうで、おそらくアリーナでもステージから離れるほど本当に見えなかったんじゃないかと思う。ただこういうセットはドームではできないだろうし(演出込みで)、アリーナツアーだからこそやりたい、という気持ちや気概を汲みたいところもあるし、たとえ外周がなくても近くに来なくても、ライブ自体がめちゃくちゃ良かったらそれはそれでいいと思うけど(わたしは、だけど)パフォーマンスの全貌がまず見えない、というのは「んんwww」というかんじ。というのもOPからセトリがすごく良かったから余計に。

今回「Tonight」ではじまって「EXPLODE」に流れ込んだりしたらすごくかっこいいなあと思っていて、それはちがったけど「Overture」→「EXPLODE」→「Tonight」→「FIRE BEAT」の流れがすごくよくて「それ!!!!!!!!」とかなったし気持ちがかなり持って行かれたけど、この流れならほんとがしがし踊るキスマイが観たかったんですよね…いや柱のむこうにちょろちょろ見えたよ…それにバックがトラジャっていうのは事前に知ってたしこのアルバムでトラジャならきっとかっこよくなるな!とかダンスで魅せてくるだろうって思ってたし、こういう流れや曲で踊るトラジャも観たかったんだよ…だってトラジャどちゃくそ踊りうまいじゃん…かっこいいじゃん…ちょろちょろ見えたよ…キスマイもトラジャもがっつり踊ってて「ヤバイ」ってなったけど、一部分しかわからないからほぼスクリーン観てた。そうじゃない。キスマイは自分たちの正しい見せ方わかってるのかなっていう疑問がわいてきた。このセクションってほぼ一番の見せ場じゃない?このセトリでさあ!!!全員でしっかり踊ってるところ観てもらわなくてどうすんの???????キスマイは踊ってなんぼだろって思うんだけど、わたし背が低いから、もしかしたらほかの皆さんはきちんとダンス見えてたのかもしんない、って今思った。ただケチつけてるだけになってたらごめんやで。んーでもアリーナ規模の会場ってジャニーズでは片手くらいしか入ったことないけど、これまで席がスタンドだろうがアリーナだろうがここまでのストレス抱えた記憶ないなー

今回で言えば円の内側とかステージ真横のスタンド前列に入った方は見えたのかもしんないからそういう席入れば見えるのかもだけどそれはちがくない??ドームツアーとちがって複数当選とかまずありえないし、一回が最初で最後って場合も往々にしてあるツアーで「どこから見ても楽しめる」じゃないのは致命的だ。いや、そもそもどんな会場だろうが多ステ勢が多かろうが関係なくそうじゃなきゃいけないはずなんだけどね。近いとか顔が見えるとかそういうことじゃなくてひとつのエンタメとして。

だいたい「近くにいきたい」とか「近くにいくよ」ってことにそんなに意味を見出しているキスマイがよくわからない。よく内輪で出る話なんだけど、近く近く言うけど前に何度かやったリリイベとかハイタッチとか、当落ありきでごく一部のファンの近くに行って満足してるだけなのでは?と思う。ドームでやればやるほど、活躍が増えれば増えるほど遠くなったって言われがちなのを気にしていたり、ファンの近くにって気持ちはわからなくもないし、アリーナに回帰してライブを作りたいってのもわかる。キスマイがやりたいんだから受け入れようと思ってたけど、近くにいきます(物理)はあまりにも短絡的すぎる。個人的には近くに感じるか感じないかって、精神的なものだと思う。どれだけファンの気持ちを汲みとれているか、どれだけファンが彼らの気持ちを汲みとれているかってことじゃないかなー

もちろんすべてのファンの希望に添うことは無理だし、ファンもタレントが自分の望む姿じゃないからって文句つけまくるのはちがうしもう降りろよってことにもなるけど、すこしの矛盾なり失望なりを抱えながらも、好意や理解や想像で信頼関係はそれなりに築けるじゃない。キスマイはわりとドライなアイドルで、ファンとの関係も一定の距離をとりがちだけど距離と信頼関係は必ずしもイコールではないでしょ。キスマイのドライさを否定する気は毛頭ないし、彼らとはそういう関係性を築いているって思ってるからつねにべたべたされても「は?」ってなるし、これはこれでいいんだよだけどそれってまずきちんと土台ができてる上に成り立っていること前提の話だし、そもそも我々って信頼関係あるのかな?って思えてきた…

そりゃ物理でたいぴに近づかれたらしぬし、今回だってアリトロんとき崩れ落ちたくらいにしんだけど、だから「ライブ楽しかった!!全部許せる!!」とはならんよな。イケメンだってことは近くで見なくても知ってるよ!!!

でも前半のセトリはすごくよかったと思う。このあとの「Bang!Bang!BURN!」まで一気に駆け抜けたかんじはキスマイといえばこれ、って魅力を凝縮したようなターン。なんなら中盤の「いいね!」までも流れとしては悪くなかった。MCに挟んだ新曲「PICK IT UP」もむちゃくちゃ良かった。ピキラ大好き。

でもワナビと運命Girlのリミックスの良さはわからんかったごめん。なぜ混ぜた。マッシュアップとかみたいに「え!すごい!!」って驚きを与えるものでもなくて交互に歌ってるだけのようなもんだし、1曲でやったほうがましだった。なんだなんだ…?時間短縮…?と置いてきぼりくらう。

やっぱり曲を大事にしてほしいということを常々思っていて、せっかくいい曲もらってるんだから、どこに配置してどう見せるかどう使うかってことに光るものや成長を感じたい。こういうのは彼らのセンスや自分の好みで左右されちゃうことだし、単に一ファンのエゴを押し付けているだけにすぎないとも思えて悩ましいけれど。でも絶対どっかにあるはずってわたしは信じてるんだよね。昔の曲、好きな曲をやるやらないっていうところを超えて「ぼくがかんがえたさいきょうのきすまい」的なセトリ。本人たちとファンのそれと気持ちが合致するような。去年の「I SCREAM」は当時のキスマイで考えたときに、それに近いものになったと感じているんだけど今年はぶっちゃけ後半がまたもだれ気味だった。コントやたまっちで一旦クールダウンして、組曲のかっこうで「レッツゴー!!」までが「緩」の部分で良かったのでは。そのあとの藤北着替えの意味ある?着替えに時間がかかるっていうのを加味しても、ライブなんだからギアチェンジは音楽でするべきなのではないか。番組のEDのようにコントタイムを「レッツゴー」で締めたならそこでゆるい時間は終わりでいいんじゃないかと思った。このへんは前も下手っていうか、おなじように感じてもやったことがあるんだよな。コンサートってストーリー性があるにしろないにしろひとつの創作物であるべきで、連続性の中に気持ちを置くからこそあの2時間3時間を空間として楽しめるのではないのかと思うし、だからこそひとつの作品としてつくりあげる意識が必要なのではないのかね。

トラジャのダンスタイムはすごく良かったけどもう少し使いどころというか、2時間半という時間の中でもうすこし的確な時間の割き方や置きどころがあったのではないかという気がしてしょうがない。もうトラジャやトラジャ担に呆れられてないか考えちゃって心臓痛かった。トラジャについてもらった意味(白目)あと「OneKiss」のあの使い方も解せぬ。

ただ「Gravity」→「r.a.c.e」は良かった。かっこよかった。これドームならやっぱりこの曲で特効ってポジションのところかな。全体通してこのライブにあたっての選曲自体はシングル多すぎかなって印象はあってもそこまで悪いとも思えなかったし、単に並べ方や構成力、時間の使い方あたりに反省点を抱えている気がする。個人的な願望を口にすれば「Baby Love」はまじで聴きたかったけどな!!まあでもこのかんじだとドームツアー控えてるでしょ。おそらく。ソロもやらなかったし。

行けただけでもいいとか当選できなかった人もいるっていうのは重々承知しているから、こんな感想書きたくなかったけど、6年目にもなってクオリティが安定しないというのはいかがなものなのかな。極端に言えばたとえプライベート的な面や画面に映っていないところでの人間的なマイナスがあったとしても、パフォーマンスやクオリティでがっかりさせられなければわたしはキスマイにお金を払い続けられるし、それだけ期待もしているんだよ。ライブやリリースしてくるものに好みの差はあってもクオリティの安定という面で納得させることは不可能でもなんでもないと思う。やりたいことをやってほしいし、やりたいことを詰め込むことも構わない。だけどどう見えるか、っていう客観的な視点がさすがに欠けているようにしか思えない。

ぶっちゃけパフォーマンスやクオリティ、楽曲に関してのみに特化すれば自分の好みにより近いグループはジャニーズの中にほかにもいくつかあるし、いろいろ考え尽くされて計算され尽くされているな、うまいなって思うグループもある。だとしてもじゃあ、そっちに降りるって選択がこれまで生まれてこなかったし、それでも担当って思うのはキスマイしかいなくて、キスマイが好きなんだからもう意味わかんない(泣)べつに比べるつもりもなくて、やり方はそれぞれだとは思うけど、こうしてなにかを魅せていく職業にあってなにが欠けているのかなにが足りないのかっていうのは共通しているんじゃないの。だってエンターテインメントじゃん…

 キスマイのことできない子たちとは思ってないけど(そもそも思ってたら好きじゃない)「やればできる子」みたいなところからはそろそろ脱してほしい。急に高くとは言わないが、ある程度の水準で「やってあたりまえ」のラインを保ち、そこに毎年スキルをプラスしていくくらいでないと、ジュニア含めて下からの突き上げも厳しいジャニーズ界隈でも、さまざまなJ以外の男性グループが乱立するアイドル界隈でも出し抜かれて埋もれてしまうぞ…!と思わずにはいられない。