舞い散る日々のなかで踊れ

散財していくタイプのおたく。

ユーリ!!! on ICEは沼。知ってた。

は~~~ついに観てしまった~~~「転がり落ちる未来しか見えないからやめる」とか言ってたけど、しごと逃げたすぎて「なんかくれ…あたらしいときめきくれ…きれいなやつ…」と思ってプライムで一気観しちまった~~~!!!

どうも。どこにでもいるジャニヲタ兼アニメ好き、いくつになってもヲタ卒できない昭和生まれのBBAです(金なら出す)年甲斐もなくヲタしててごめんなさい

さて……冬アニメも始まっているなか『ユーリ!!! on ICE』観たよ!!放送も終了して今更だけどさくっと感想書きます。さくっとで済むのか。結論から言うとこれはおそろしい沼です。

フィギュアについて専門知識は皆無で、わかるのは武内直子先生の「THE チェリープロジェクト」という作品で覚えた技の名前くらい。「デススパイラルーーー!?ひとりでーーー!?」ってかんじの超次元スケートマンガです。あとアルベールビルだったかな、伊藤みどりさんに幼いながらに憧れて、あんときのフリーとエキシはテープが擦り切れるほど観て畳の上で真似してました。半回転しかできてないのに「トリプルアクセルっ!」とか言ってな。傘持って出てきてレインコート脱ぐやつ好きだった。25年前?こわい。

まあそんなかんじなのでプログラムの構成や難易度、大会の仕組み、わかる人にはわかるよっていうフィギュア的小ネタとかはよくわからないまま観ていました。そういう詳細がわからなくても勇利のフリーは毎回泣けるところまで届いてくるすごさ…!特に最後のステップのところとか。なんならそれぞれの選手がそれぞれの感情を乗せて滑るからどれも泣いた。第6話の中国大会でレオくんがSP中に「音楽に出会わなければどうやってこの魂を勇気付けていただろう」って言うところは泣きながら「それな(語彙力紛失)」しか言えんかった。

プログラムの曲はほぼオリジナルらしいですがこれすばらしいですね!!勇利のフリー曲『Yuri on ICE』とヴィクトルのフリー曲『離れずにそばにいて』はずば抜けて素敵だと思うのですが、JJやピチットくんの曲も好きだしユリオのピアノ協奏曲…!!ピアノ協奏曲を今時アニメオリジナルで作るなんてもうおどろきでしかなかった。あ、でも地方大会で誰かがメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で今滑っているのかな?って場面もあったし、いくつか既存曲も使われていた。しかも第三楽章。世界でいちばん好き。

オリジナル曲のサントラ軽率に買いそう。どんだけエイベたんに金を落とせばいいのか…(当方キスマイ担)

 

 

 イメージとしては、ヴィクトルをコーチに迎えて日々の練習をメインにして勇利くんが成長していくお話かなと思っていたけれど、5話からもう公式戦がはじまって、GPシリーズに至っては選手皆のプログラムに時間を割く作りでもうびっくり案件。そこまでちゃんと観れるなんてまじかよ…作画班生きてたんだろうか…ともう放送終了した作品の心配してしまった。大きなお世話だった。勇利もユリオも確かに話数ごとにどんどん変わっていくのだけれど、ベテランと天才っていう設定だし、新人が努力して初めて大会を目指すって話じゃないからか、超スポ根感はあまりない。だけど感情が表現に乗るスポーツだからなのかなあ…このアニメすげー泣けるんだよね。正直、騒がしくなっている界隈のところから断片的な情報を拾っていたせいで誤解していたんだよわたし。サービス精神旺盛系のやつなのね、って思っていて、まーた旬ジャンル爆誕してしまうのかーみたいな。

サービス精神旺盛な面があるのは否めないし、ちょっとやりすぎじゃない?とは思うんだけど、そんなことよりも作中で一貫して「愛」と呼ばれている勇利をとりまく感情がもはや「愛」でしかなかった。しかも分類も名前をつけることもできない愛のかたちってかんじ…とくに勇利とヴィクトル。今までこういう人間関係を人生で築けたことがないって思ったらずどーんと来たもの。自分はわりと勇利に似ているところがあって、普段から自己嫌悪に陥ってばかりなんだけど、こんなんじゃだめだって思わせるなにかがこの作品にはあったんですよね。

わたしは元々フィルターもちなので(なんのかは察してください)ニヨったり「は?????????????????」からの墓ってなることがないって言ったらそれはうそです。でもそういうのを通すのが申し訳なくなるくらいの純度とでも言えばいいのか…観終わった日からずっと周りの人のことやこれからどうするべきかということを考えてしまう。色々と揺さぶられすぎてちょっとどうしていいかわからなかった。安直に考えてたところに爆弾くらったかんじ。

 

ちなみに個人的神回トップ3は以下になっております。

1.第7話

6話と合わせて一番泣いたかもしれない。勇利の「僕が勝つって僕より信じてよ!!!」からのあの驚愕のフリー。中国大会がいちばん好きかも。終盤立て直して3-3決めたときのヴィクトルの神的にかわいいびっくり顔も最あんど高だし、フリップ飛んでフィニッシュに向かうところにかかってくる実況もすごく良くてエモすぎ泣いた…ってなっているところに最後のあれ…誰かー!恋(星野源)持ってきてーーーー!!!

ちょっと違うかもしれないけど、逃げ恥の公園での「ハグしていいですか?」の場面みたいだなあと。溢れすぎて言葉にならない感情の伝え方というか。勇利とヴィクトルはハグは四六時中してるからこれしかない。

ここまで言ってると後づけにしかならないけど、ここから本当の意味で選手とコーチという関係が始まったんじゃないかと思った。

2.第12話

最終話。言葉にならない。これが桃源郷。と言いつつそのあたりは後述します。ファイナルのFSはどのスケーターもすごく良くて、勇利はもちろんなんだけど(送り出したときに一瞬引き留めるような動きをしたヴィクトルの手から離れてリンクに向かう勇利がフィニッシュで指を伸ばした先がヴィクトルっていう描き方はやばみが過ぎる)オタベックのあの語りからのユーリという流れが圧巻だったし、ユーリの気迫と涙~~~;;;;戦う人だ…それに当日の朝のユーリとヴィクトルのやりとりに詰まってるすべてが好き。

3.第9話

ユーリの優しさが滲む回。ヤンキーだから口悪いけどめっちゃ優しい子だし、勇利の存在や長谷津でのできごとはユーリの中ではすごく大きかったんだなあ思えてすごくアガペーな気持ちに。例の空港でのシーンは、ん???って引っかかったところのほうが大きかったし、勇利からは悲痛さが漂っているし、マッカチンの件は良かったけどたぶんふたりに関してはここから大きくずれちゃったのかなあと最終回まで観た今となっては思う。

あと特筆したいのは10話。ここまで観るとこういう設定でこういう話、と自分の中で組み立ててきたものが一気に壊れてがらりと印象を変えるので、1話からまた観るしかなくてほんとしんどかった;;;;;;(観た)4話の「コーチを引き受けた」に強烈に違和感あったんだよ…ヴィクトルくらいになると、誰もがそう望んでると心の中で思ってると思ってるのか?皇帝ゆえの傲慢?みたいな。その違和感の正体の10話で解き明かされて、勇利もあんなに親しげに声をかけてくれるクリスがいるのに、ピチット君以外親しいスケーターはいませんって顔してるのなんで??ってずっと疑問だった答えもわかった。叙述トリックかよ…10話の特殊ED最高でした。抜群の笑顔でダンスしている画像わたしにも送ってください。見せ方がうまい…普段はインスタでこの回はアプリ起動からのカメラロール…

教会の一件はね。うん、あの、勇利の発想がアメイジングすぎてたおれた。誇張じゃなくてフローリングに。気持ちはわかるよ…拠り所としてのかたちあるものに行き着きたい気持ちはわかる。ただそれはちょっとって…言われたらどうしようって迷いもなくそこに行き着いて実行に移す勇利おそろしい子…!でもヴィクトルは受け止めるって知ってた。

 

9話とかこの10話〜12話冒頭とかがまさにそうなんだけど、勇利の心の声は観ている側にはずっとわかるし、引退の時期のこととかもああこう思ってるんだなっていう前提で観てるから勇利の言葉や行動に矛盾とか突発さを感じないけど、対ヴィクトルになったときの、あれ、このふたり画面外でこの話したのかな、ふたりのあいだでそういう認識になってるんだよね?それを踏まえてこうなってるんだよね?いや、もしかして違う???あれ???なにこの状況は!?!?!?ってこともいくつかあったし、ふたりだけじゃなくユリオも含めて、この表情や描き方はどう解釈したらいいんだろう…?ってことも多くてこっちが大混乱、まって、わかんね〜〜〜〜どこでどうなった…?なにこれどういうこと???ってなってこんなにも頭の中がカオスになったアニメひさびさかも。それなんて人生。やっぱり言葉で伝えなきゃだめだよね…勇利の行動見て自分も反省した。自己完結しててもなんも良くならないし逆に相手も自分もしんどくなるばっかだ。それに正直未だに解釈しきれないところも真意を測りかねるところもあるんだよなー

とはいえ、ふたりがたどり着いた場所があの12話ならもう泣くしかなくない?????離れずにそばにいてデュエットver.…まってしんど…理解と理性が追いつかな…しねってこと????こんなんどうすればいいの????まじでKSK*1なんだけど!!!!!あまりのことに頭沸騰して謎の怒りすらわいてくるんだけど!?!?!?!?夫婦を越えていけ…

実はエキシでこのプログラム選んでましたってこと自体が衝撃だわ。中国大会のときもおそらくソロだろうが画面外で滑ってたってことですよね…でもよくよく考えたら第一話で完コピしてる動画めっちゃ拡散されたんだからある意味皆が一番観たいプログラムでもあるだろうし、ふたりの始まりの曲だから自然なことかもしれない。

最終話のこのエキシちょっと引くくらい美しくて、もしかしてこの景色この世で一番美しいんじゃないかって白目で思うほどだったんだけど、この映像そのままDVDに収録できるのかなー修正入るのかな。噴出しているらしいいくつかの問題はどうなるんだろう…

 

キャラもすごく良かった~~~;;;;勇利の家族をはじめとする地元の人たちがとても暖かい場所だったり、スケーターたちのキャラの立ち方も常軌を逸している…JJ(CV:宮野)とか最高じゃない。名ゼリフ吐きまくってた。「翼の折れたJJ」とか「こんなんじゃ愛が足りねーよ!!!」とか。あと一見関係ないようにみえる他の選手たちのプログラムやエピソードがストーリーのフックになっていたりするのが憎い。

PVだけ観た段階では、ユリオ気になってたけど、終わってみたらヴィクトル・ニキフォロフ一択だった。これまでの推しキャラを考えればヴィクトルしかなかったと今では思えるけど、元々金髪の美形に弱いんですよね。でもユリオもすっごいいいこだったなあ。なんなら勇利やヴィクトルよりしっかりしてる。あの強さ、あの感覚、察しの良さよ…ヤンキーなのにおじいちゃん子かわいい。カツ丼ピロシキんときの笑顔天使か。内山くんもすんごい良かったです。

1話と12話どちらも美しすぎてしんだし、とくにFSのほうのあの序盤のシットスピンのあたりなんて心臓抉られそうになるからもし二期があったらヴィクトルのまじスケーティングをみたい気持ちはあるし、実は枯渇して空っぽで「離れずにそばにいて」を踊っていた人が愛や人生を彩るものやことを知ったらどんな風になるんだろう…って考えると震えるけど、個人的にはヴィクトルが皇帝の座から陥落するのをみたくない気持ちもあるので、完結しない物語ほど美しいものはない、でもいいかなと思っている。「ワールド5連覇くらいしろ」って言ってるから本人はいつかその時はくる、と覚悟しているのかもしれないしそんなことは大事じゃないかもしれないけど。

というか11~12話のとき本人的にはどういう風に考えているんだろう。最初は単純に勇利を見ているうちにスケートへの情熱やイマジネーションが戻ってきたところにユリオのファイナルのSP見て火がついたのかと思ってたんだけどもしかしたらそうじゃなくてあの後ろ姿は世代交代の時期だって悟ったのと、これまで自分が一番だと思っていた人がよくよくいろいろなスケーターの演技を客席から新鮮な感覚で見てみたらいろいろな発見があることを知って、これからもしばらくは勇利見る予定でいるからコーチ業や振付師への転換に傾いていたのか…基本的に勇利目線に添って描かれるから、前者は勇利がそう感じたってだけかなあ。そもそも彼はヴィクトルをロシアへスケート界へ返すべき人だと思ってるし。このへんが心の動きが未だにはっきりわからないんだよね。わたしがバカで深みのない人間だからかもしれんが。

でもやっぱり12話の「競技者としておもしろくない」の言葉を額面通り受け取ると、やっぱりヴィクトルがスケーターとして蘇生したんだろうな。で、ヴィクトルがプログラム的にも点数的にもやりきった感で満ちている勇利を引き戻すことを託したのがユリオって解釈でいいのかな。ヴィクトルの復帰じゃ喜ばせることはできても戻せないって悟ったってことだよね…?

元々勇利はヴィクトルを崇拝していたスケート人生だし『Yuri on ICE』滑るときにもヴィクトルのことしか考えてないからわかるけど、ヴィクトルのほうももはや勇利のいない世界に意味などないくらいの勢いで「離れずにそばにいて」なんですね…なんだろう共依存?いいね!!そういうの大好きだよ!!!!ちがう、そうじゃない、あ~~~~~自分のフィルターが憎い。あえて名前をつけるとしたらソウルメイトとかそういうかんじかなあ。つーか記憶消してまっさらな状態でこの作品もう一回観たいです。

リアルタイムで追いかけた方々すごいね!?わたしこれリアタイしてたら一週間考えすぎて心臓もたなかったかもしれないし、放送日のたびにしんで繁忙期乗り越えられなかったかもしれない。逆に乗り越えられる糧になる可能性もあるけどこれはたぶん毎週抜け殻になるやつ。結果良かった。

ほんとあんまりめんどくさがってないで真面目に向き合わないとだめですね。「踏み込んだぶんだけ踏み込んでくれる」に目が覚めた。

は~~~円盤買お。仕事しよ。

 

*1:結婚しろください

書き納めは週刊少年サンデーのことにします。

キスマイ担の皆様週刊少年サンデーお買い求めになりました????控えめに言っても最高なグラビア+ポスターつきなのにお値段280円ですよ!!!書店員として非常におすすめしたい案件が年の瀬にやってきたので絶対に書きたかった。

まず、「キスマイのアニキたち」という煽りがイカしてるね!小学館さんはコロコロコミックを昔読んでいた世代向けにコロコロアニキってコミック出してるくらいだし、アニキ呼びは、わー!小学館だー!少年漫画だー!ってかんじで、こういうテリトリーにキスマイが入るってはじめてだし、そこであちらの色がつけられているのがもう不思議だしうれしいしかわいいし何が何やら…幸せな混乱である。すき。

朝に本日発売の入荷をほどいて店頭出しするのだけれど、これを見つけたときのテンションの上がり方ねーー!年末は繁忙期なのでやはりバタバタしているのですがなにこの満ち満ちたやる気…1日中持続できたよキスマイつよ。ドル誌の表紙飾るときとはひと味違うこの気持ちはなんだろう。よくわからない。思いの外テンションが爆あがりしている自分に引くわごめん。

サンデーはなんといってもコナンがあるし、メンバーも1度は目にしたことがあるのでは…(たいぴは漫画とは程遠い人生を送ってそうなのでないかもだが)ドル誌ではなくそういう雑誌に出るってどんな気分なのかなあ。わたしはとてもうれしかったです(小並)。

買ったからにはもちろん漫画も読もうと思っているので「マギ」とかコミックスで読んでいる作品のネタバレがあるなってくらいだけれどもそんなことは微々たる問題にすぎない。ほんと小学館さまありがとうございますーーー!!!年末年始も来年も頑張って小学館さまのコミック売りますーーー!!!

メンバーのQ&Aもドル誌とはすこし違って、やっぱりヤング層の男子に向けて答えてるようなかんじが新鮮だし(たいぴはなんか戸惑いが固さを生んでいる気がするww)宮田くんなんてちゃんとサンデーで連載している漫画を引き合いに出していて、もうほんとわかってんな!!!!って思った。

グラビアもドル誌顔負けの衣装三回チェンジで8頁も割いてくれていた。まさか少年誌の表紙を飾る日が来るとはさすがに予想外だったけれど、こういう新しい方面へのお仕事に挑戦するキスマイをどんどん見たいなあ。

 あのーだいたいどこの出版者さんも来月こんなコミック発売しますよーとかこれがおすすめですみたいなチラシとか冊子とか送ってくださるのですが、そこにサンデーにKis-My-Ft2が登場!ってあって、それを見たときあまりの驚きに思わずフロアで吹いたのですが、増売が見込まれますと、期待されていたこともうれしいし、実際にそうなるといいなと思っています。

 

ちなみにサンデーで最近個人的におすすめしたいのは「古見さんは、コミュ症です。」です♥(ステマ

 

とりとめのない文章で乱れに乱れてたまま書き納めです。今度こそほんとうにありがとうございました。

未来は僕らの手の中。

 12月6日、帝国劇場に行ってきた。

ジャニーズ・オールスターズ・アイランドのことを書いておかないと年を越せない気がして、大掃除途中のぐちゃぐちゃの部屋でキーボードを叩いているのはたぶん現実逃避だ。掃除しろよ…

 勝手なはなしで申し訳ないのだが、これまでドリボしかジャニーズの舞台を観たことがないじぶんとしてはこれだけの人数が出る舞台はトンデモ設定になるに違いない…なにせ【~宇宙からの手紙~】だ、カオスの極みになるのでは、と想像していた。「ジャニワがカオスだった」みたいな書き込みをいつか見かけた記憶がずっと残っていて、ジャニーズの、とくに若手による舞台はカオスなんだなあとどこか決めつけたように思っていた節がわたしにはある。

JUMPの「SUMMARY」のDVDは観たことがあるのだが、JUMPのコンサートの位置付けという感覚が強く、とりたてカオスでもなんでもなかったし、むしろエンターティンメント満載のそれに感動すらした。二年前に一度だけ観たドリボも同じ。それなのに今回はなんだかそう思い込んでいた。失礼にもほどがある。

以下の感想はネタバレを投下するので、知りたくない方はお気をつけください。

 

 

事前のネタバレは避けるタイプなので、初日のニュースやWSも目にしなかったしうっかり被弾しないようにグッズの詳細すら検索しなかったため、なにもわからないまま帝劇に向かった。ただ初日に東山さんがゲスト出演し、翌日には光一くんも、という話を「これはネタバレじゃないから言っても大丈夫だと思うけど~」という言葉のあと聞かされてはいたし、今後もいろいろな人が来るかもしれないということだけは知っていた。それは軽いネタバレではあったけれど、毎公演すべてに誰かが来るわけじゃないだろうから、来たらラッキーだな~なんて、ひとりで開演を待ちながら考えていた。ジャニーズの現場はたいがい妹と入っているのだが、休みの都合で彼女は翌日の観劇だったため、今日観たことは明日になるまで話せないな…となどと思いつつ、淡々と席で過ごしているうちに開演の時間になり、目の前に飛び込んできたのはかの有名なジュニアマンションだった。無表情を決め込んで舞台を見つめていたのだけれど、頭の中は「じゅ、ジュニアマンション~~~~~!!!」と興奮していた。ジャニーズの舞台に免疫がない人間ゆえに、初めて生で観るそれにもはや伝説を目撃したと言いたいくらいの勢いで。むかしテレビのドキュメントかなにかでジュニアのリハーサルに密着する番組があったように記憶しているのだが、そのときやKAT-TUNのライブのDVD、つまり映像でしか観たことのなかったそれが広がる景色に純粋に感動した。そこで順番にグループが紹介されたあと、小さなジュニアたちも含めて出演者の全員が舞台に立っていたのではないかと思うほど舞台上にジャニーズの面々が並ぶOPは華々しく煌びやかなのにどこか夢うつつな心地がして、またそのきらめきが刹那的すぎてこっそり泣いた。

その中に自担が立つことのなんて眩しい!

息が詰まった。おそらく何秒か呼吸を忘れた。わたしは帝劇に立つ藤ヶ谷くんを観るのははじめてなので彼がこれまでどんな風にジャニーズの舞台で表現してきたかは知らない。それでも一万字で「ジャニーズであるというだけでフィルターをかけられてしまう」ということを小栗旬さんに相談した旨を語り、ここ数年、それを打ち破ろうとしてきたであろう彼が全身でジャニーズの舞台でジャニーズのエンターティンメントを表現する様はちょっと言葉にならないものがあった。

長年培ったものを一度スクラップし、再構築することは時に積み上げた経験値さえゼロになる可能性も孕んでいる。それでも外部の舞台に立ち、そこで得たものをビルドアップしたうえでジャニーズの舞台に戻ることで、溶け込んでいるようでどこか違った風を纏う存在として作用していた気がする。これが彼の言う「違和感」なのかもしれない。

 そんな華々しいOPの途中で事故のトラブルが起こり、騒然となる舞台で「舞台は始まっている、幕を降ろすな」(メモとかとってないのでセリフ曖昧)と言う藤ヶ谷くんと「このまま続行はできない」と言う玉森くん、そしてプロデューサー役である内くんが「Show must go on」と。インタビューでジャニーさんがよく言うとか教えみたいなことは読んだけれど、これはSHOCKやジャニワでたびたびある演出で、ジャニーズの舞台に貫かれている精神らしい。不勉強で知らなかったのだが【Show must go on ジャニーズ】で調べたらジャニーズの舞台における「Show must go on」の変遷を解説されている方がいて知った。

繋ぎ目の詳しい記憶がぼんやりしているのだが、ショービジネスの世界ですでにスターとして活躍する藤ヶ谷くん&玉森くんと、それに続く勝利くんがいて、そしてそのつぎを担うジュニアたち若い子はじぶんたちが先輩たちのようになるにはどうすればいいのか、どう進んでいくべきなのかもしくはどう生きるべきなのか悩んでいて、それを玉ヶ谷が導いていくようなストーリー。

ここで明らかになるのが、藤ヶ谷くんは「歴史には悲劇や悲しみ、痛みや不幸があり、それを知り、そこから学ぶ必要がある」ことを教え、玉森くんは「悲しみや不幸ばかりではなく、それを乗り越えて発展し開ける明るい現在や未来がある」と導くふたりの役どころ。なんというかネガティブとポジティブの体現者というかんじ。

よろこびじゃなくてかなしみ、光よりも陰。そういうものが彼をよりつよく、うつくしく際立たせるように感じる。テレビや雑誌に出ていて笑っていても、どこか仄暗さが見え隠れするというか。

これはたいぶ前に「アイドルとイメージソングのはなし」の記事で書いた藤ヶ谷くんの個人的イメージなのだが、 じぶんがそう感じているからってだけかもしれないけれど、彼はやっぱりネガティブのほうだなあ、と思った。役どころが逆だとしたら、それもそれでちがう彼らを観ることができたとしてもやはり逆じゃない…?と思ってしまっていたかも。

すこし早口の硬い声で多数の自然災害や事故、繰り返されてきた戦争の悲劇を語る藤ヶ谷くんと、いやいやでもね、明るいこともあるんだよ?文明だって技術だって発展するんだよ?とあくまでそれを乗り越えた先にあった歴史の輝かしい側面を見せるようとする玉森くん。どちらにせよそこから「今」に繋がっていること、今をみつめるということを言いたいのだろうけれど、ふたりが対照的で両極端で「お前とは合わない」という印象を抱いているのが興味深い。

Snow Manによる壁フライングや、総出演じゃないにしてもグループ混合、大勢のジュニアでによる和太鼓演出(たぶん和の歴史を学ぶ的な…?)はまさにジャニーズのショーというかんじで圧倒されていたのだけれど、歴史をひとつひとつ紐解き、それを舞台で見せていくにつれ、1幕の途中で「これはすごいものを観にきてしまったのでは…?」と思い始めた。これまでジャニーズの舞台をいろいろずっと観てきている方からすれば、いつもこんなもんやでってかんじかもしれないごめん。

太平洋戦争における特攻隊や東京大空襲、原爆の悲劇、そしてそのあと、戦後の復興から高度経済成長を遂げた日本で開催された東京オリンピックを舞台でジュニアくんたちが表現しながら辿る時間の旅に込められたメッセージが強烈で、ここまでストレートに表現するのが衝撃だった。あくまでエンタメショーとして見せながら、そこにジャニーさんの思想や想いが色濃く反映されているように感じ、1幕が終わったときにはどっと疲れていた。これだけ強いものは受け取るほうもそれなりの力が必要だった。と言いつつ、1幕の途中で勝利くんが横を通っていったのだが、つい鼻をすんすんさせて通ったあとの残り香を確かめてしまうとんだキモヲタぶりを発揮してしまったことを思い出して今若干自己嫌悪に陥っている。いい匂いだった…なんか甘いかんじの…

1幕中にキスマイふたりのソロもあった。藤ヶ谷くんのソロは、ひるがえる系布のある黒いジャケット(しぬやつ)で椅子を使いながらジャジーな曲を踊るのだけれど、1幕のなかで笑顔を見せたのはこのソロの曲のときだけだと記憶している。役柄上、表情が硬くツンとしていることが多い中、このときだけは自由な表情になる。それがまた最高なんやて…頭のてっぺんから指の先まで藤ヶ谷太輔…すき…(きもい)

玉森くんはオーバーサイズっぽい白いトップスに黒のサルエル?なボトムだったと思う。EDMっぽい曲で「Dinga」だったかな曲名…サビもDingaDingaってフレーズだったような…パンフレットにプログラムの記載がないので、曖昧。わたしはEDMと玉森くんの親和性については絶大に信頼を寄せているので、文句なしで素敵だった。

 ふたりとも戦争やオリンピックのステージの導入部分に出てくるのがメインで、出番自体は少ないけれど、若者たちの先を行く者として存在感はふたりがこれまで培ってきたものそのものだし、彼らにもかつて思い悩んだ時期があったのだと思わせる説得力もあった。

 

この日のゲストはA.B.C-Z。幕間の直後にゲストステージがあるとは知らなかったので、突然Za ABCのイントロが始まったときは(え、あれで終わり?ショータイムやるの??)と混乱した。そうしたら星形を作りながらせりあがってきたのがえびちゃん本人だったからさらに混乱した。橋本くんに促されるままに、なぜに???と疑問符だらけの頭で手拍子をしている途中でこれが例のSPゲストによるステージだと気がついた。だいすきな「Vanilla」聴けたし、えびちゃんのパフォーマンスを直接観たのがはじめてで、混乱が去ったあとにじわ~と幸せとうれしさが広がった。

トークタイムは河合くんが絶好調で「俺玉森と藤ヶ谷と話したいんだけどいつ出てくんの?」とか「明日のゲストは横尾渉と犬が来ます」って言っていたり、塚ちゃんが「丸いのに入ってフライングするんでしょ?ワイドショーで観た!」って無邪気に言って永瀬くんに「ネタバレやめてもらっていいですか」って突っ込まれてたり…おもしろかった。

このゲストステージのあとに「よし宇宙いくぞ」ってなるんだけど…ちびっこジュニアたちに見送られていたのは1幕ラストだったか2幕スタート時だったか覚えがないんだけど、

宇宙には未来はない

しかしそれを知るためには

一度宇宙を見なければならない。 

(1幕のラストに客席へ舞い落ちてきた落下物の手紙より)

ということらしい。宇宙から手紙が来てそういう流れになるのだけれど、急にトンチキのにおいがした。とはいえ確かにわたしたちには知らないことが多すぎるし、知らないことさえ知らないのだから、きちんと見なければそれが正しいのかそうでないのかさえもわからないよなとわけのわからない納得をしておいた。

宇宙には内くん扮するプロデューサーのお父さん(エンターティンメントを教えてくれた人=ジャニーさんっぽいなあと思った)がいて、そこでもまたタイタニック号やヒンデンブルグ号の悲劇を見せられる。玉ヶ谷も出てくる。君らも宇宙きてたんかーいってなった。

これも人類が遂げてきた革新的な文明や技術の発展と、その発展と引き換えに起きてしまった痛ましい事故ということなのだろう。成功の影にはいくつもの失敗と犠牲があるということかな。それと「人間は海と空も支配しようとした」というようなセリフに見える人間の傲慢さ。圧倒的な自然の前では無力で、わたしたちはただこの地球に生かされているだけなのにね…

結局過去からきちんと学ばなければおなじことを繰り返すばかりでなにも変わらないのではないかと思わせるそれはまるで、過去を学びそしてそれを省みて活かさない者に今や未来を生きる資格はないと言われているようだった。刺された。

このパートでは岩本くんがほんとうに印象に残っている。ヒンデンブルグ号のくだりでドイツの軍人に扮しているのだが、いや、うますぎて驚いた。板につきすぎている。Snow Man自体わりとこの舞台の要を担っていて、ストーリーとしてはやはり平野くんをはじめとするKingが中心(というか平野くんが主役っぽいと感じた)なのだけれど、凄まじい存在感を発揮していた。ジャーニーとアイスクリームでキスマイのバックについてもらっていたこともあり、ライブでのパフォーマンスは何度も目にしていて、そのハイパフォーマンスぶりには目を見張るものがあるうえに、「すの日常」の更新をたのしみにしているくらいには好きなのだが、舞台を観たのははじめてなので、本当にびっくりした。後日、岩本くんがスノのパフォーマンスを考えるときにシルバニアファミリーを使っているらしいということを小耳にはさんで「岩本くんがーーーー!!かわいすぎる件についてーーーーーー!!!」と叫びたい衝動に駆られていたところに先日「モシモノふたり」の放送でシルバニアと戯れる岩本くんが真実であったことを知り、もはや2017年一番目が離せないジュニアになってしまった。これがバズるってやつか(たぶん使い方ちがう)

それともうひとりとても印象深いのが京本くん。舞台に出てくるとすごく目を引く。あとみずきくんかわえ…少クラを観ていてもおっきくなったなあと思うのだけれど、実際に目にするとミニマイのときはまだ小っちゃかったのになーと不思議な気持ちになる。ほんとうはひとりひとりきっちり観たかったけれどなにせ人数が多すぎてな…目が足りない案件…

宇宙にあるのは過去の遺物でありそこに未来はないことを認め、生きるべき場所は地球であり、進むべき場所はそこにしかなく、そこですべきことがあると気がついて活路を見出していく…かと思いきやそうではなく、やはり見えないものへの不安が強いのか、なにかしらを前向きに獲得していこうとする仲間たちへの焦燥なのか、高橋くんが「もう地球に帰る!」「俺らと先輩は違うんだよ!(ああはなれない的な意味で)」と投げ出すように言ったことから、平野くんの母親の話へ、その後宇宙には何もないことがわかった皆が地球に帰ろうとしているとき、宇宙に残りたい、まだ知りたいことがある、内Pのお父さんといたい、帰れないと叫ぶ勝利くんの父親の話へ突入していく。

ふたりのあまりにリアリティを帯びた演技にこれはまさか実体験ではないのか?と慄いた。終演後に初日の記事を見たらやはりそうだったようで、これはそうとう難しい問題だという感想を抱いた。

エンタメはエンタメであって見世物ではない。個人の人生の悲しい事柄を切り売りするような演出を良しとするか否とするか。これについてわたしは正しい答がよくわからない。自担であったとしたらやはりそれを演出にしてしまうことに複雑な想いを抱くかもしれないし、憤りを覚えるかもしれない。とくに肉親の死は、良好な親子関係であればなおさらだし、仮にそこにどんな複雑な事情や関係が構築されていようとも、実際に直面すると本当にどうしていいかわからなくなる。悲しいとか辛いとかそういう通りいっぺんの感情よりも「もういない」という現実がまったく捉えられない。いないことが信じられない、どうやって信じていいのかわからないとでも言うのか…そして「あのときこうすれば…」「もっといろいろ話しておけば…」「なにか方法があったはずでは…」というどうしようもない後悔の念が噴き出てくると、胸に穴があいたみたいになってそこを冷たい風が通り抜けてからだが縮むように震えるし、瞬間的に頭から血の気が引くような感覚に襲われる。正直じぶんは何年経ってもそこから抜け出せない。だからこそあの若さで彼が、そしてたったの3か月前のことをわざわざ舞台で、観客の前でそれと向き合わなければならない意味はなんだ?と問わざるをえない。

ただ、個人的には演劇にしろ小説にしろ音楽にしろ創作には思想が色濃く反映されるもので、というか思想そのもので、思想は日常であり、日常には生活や社会があるのではないか、と考えているのでジャニーさんがそれを演出として入れると考えたこともなんとなく理解できる気もする。本心のところはもちろんわからないけれど。創作したり表現したりすることに、日常や生活における体験は密接に関わっていて、そうした個々の悲しみや喜びの体験があるからこそ、そこに深みや奥行きが出るのでは…とも。

また、長い歴史や多くの人類のうえに横たわる悲しみを描いてきたこの舞台も、忘れてはいけないこととはいえやはり体験してきたことではないのでリアリティに欠ける部分があるのは否めないし、漠然と悲劇の羅列を眺めているだけにすぎない面もあるけれど、最後に個人のそれを描くことで「今」や「生きる」ということをつよく鮮明に映しているようにも感じた。

とはいえ、父親の死に直面し「どうしていいのかわからない」と泣きながら振り絞るように演じていた勝利くんと、闘病中のお母さんが脳腫瘍の手術を受けるときに東京で仕事をしていた平野くんの言う「じぶんだけがこんなことをしていていいのか」は重すぎる。たとえ彼らが舞台でそれと向き合い、乗り越えようとしていたとしても、悲しみや苦しみにふさぎ込んで立ち止まって、けれどいつかは受け入れて進んでいかなければいけないとしてもだ。

が、悲しみや苦しみを背負うすがたは、美しい少年(いや、青年か)をより美しく映すのだということを不謹慎だとは思いつつも感じてしまった。

このパートはジャニアイにおける一番のカタルシスだと思う。

正直なところこの場面は強烈で、そこからどんなふうに大団円に向かっていったかほぼ記憶が途切れている。気が付いたらジャニーズのはじまりやジャニーズ交遊録自慢…?と思わず言いたかったエンターティンメントにおける著名な方々との出会いなどが語られたり、エンタメの中心はTOKYOにある、TOKYOを目指せってことで「レッツゴートゥトーキョー」なる歌が歌われたり、1幕でも歌っていたトニトニが再び。これは五輪に絡むの狙ってんな…でもきっと2020年へ希望を繋げんとする話なのだろうということはわかった。

 

それと全編のなかでとても印象に残っているのが「平和だからこそこういうことができる」と岩本くん(たしか)が言っていたセリフ。これって「SUMMARY」だったかジャニワ感謝祭だったか忘れてしまったけれど、山田くんのあいさつにもあったし、このあいだのアナザースカイで中丸くんも言っていたことで、あたりまえのことでもあり、だからこそ忘れてしまいがちなそれをジャニーズの子たちはきちんとわかっているのだ、とぐっと来た。ジャニーさんが直接言葉にしているのかどうかは知らないけれど、舞台や演出を通して伝えたいことが脈々と受け継がれているのかもなと思えて、きっとこの舞台もジャニーさんが半生をかけて伝えたいことなのだろうとわたしなりに受けとった。こうして好きなものを観たり聴いたりして楽しみ慈しむことができる日もあれば、日々の仕事に忙殺されたり宇宙レベルでみれば大したことのない悩みや苦しみに支配されてしまう日もあったり、大切なひとがいたり出会いがあったりそういう人と笑ったり話したりごはんを食べたり、あれがほしいこれがしたいどこにいきたいなどと自由に思うこと…日常の細々で埋め尽くされたわたしの小さな世界はおしなべて平和だからこそ成り立っているということをわたしも忘れたくない。世界のどこかで実際に起きているように、平和は恒久ではないしとても壊れやすいものだということも、おそらくわたしはわかっているようですでにぬるま湯に浸かってしまっているのだと自覚することも。

おそらくそれと、ジャニーズのエンターティンメントの歴史すべてとを詰め込んだものが「ジャニーズ・オールスターズ・アイランド」だったとまとめて感想はおわりにしようと思う。もう一度観てきちんと細部を理解したり、じぶんの認識間違いを正したい気持ちはあるのだが、この日しか当選できなかったので一度で見納めとなりそうだ。だけど、この舞台はたくさんの方が観れたらいいのにとかジャニーズに興味のない人たちの目にもひょんなきっかけで留まればいいのにと思うきもちのほうが強いので、ロングランやDVDにならんかな…と願っている。4年前のわたしのようなひとにこそ「ジャニーズってほんとすごいよ!」ってうざい顔ですすめたい。

 

さて、2016年最後の現場がおわってしまったので、あとは31日のカウコンにてテレビの中の彼らと1年を締めくくりそして新たな1年を迎えるつもりでいる。

大掃除が切羽詰まっていて、特典映像盛りだくさんすぎるキスマイのライブDVDはまだ本編とマルチアングルしか観れていない。ハプニング集と「I Scream Night」まとめを早く観たいのだが、通常盤がまだ届いていないかなしみ。

とりあえず、アイスクリームナイトでみんなパリピしてるなか、濡れるの嫌がりすぎ顔険しすぎな顔気にしすぎなたいぴちゃんに草。そういうとき、たいぴ、笑顔やで!って思わずつっこんじゃうけど、そういうところもすきだよ、2016冬。

 

テーマはばらばらで落ち着きがなかったけれど、前年対比でいけば今年はけっこうこまめにブログを書いたほうなのですが、駄文なうえだらだら好き勝手言っているようなここを読んでくださった方、通り過ぎてくださった方、みなさまありがとうございました。

2016年ヲタ的備忘録②書店員によるマンガ界隈のこと。

前回の続きのようなもの。今回はマンガとかちょっとアニメとか。

 本が売れない、書店が消えていくという話はよく聞く。実際むかしに比べたらそうなのだろうと思う。いろいろな趣味がたくさんある時代だし、たぶんもう本は一大娯楽ではなく嗜好品になったのかも。

電子書籍インターネット書店の台頭で書店が…というのもよく聞く。これはもう時代の流れと世相というほかない。もちろん諦めたくはない気持ちも存在はしている。

電子書籍で連載しているマンガが単行本化してレーベルや作品がどんどん増え、店頭の棚やスペース開けに四苦八苦するときに、本はスペースを取るから、ある程度自宅にそういう場所が確保されていなければ増やし難いものになっているのではないかと最近よく考える。実際じぶんも大きい本棚を買い直したけれど部屋はさほど広くないからこれ以上増えたらどうすんだ状態。土地も高いし家賃も税金も高くなっているのに給料はあがりにくい昨今、広い家や部屋に住むこともなかなか難しい。だから断捨離がブームになったのもわかるし、電子書籍に移行していくのも納得かも。所有が難しくなっている時代というかんじ。もっと単純に趣味にがっつりお金を使えないという景気の悪さもあるのかな。消費しろ物を買えと言われたって元手がなきゃねえ、とはわたしも思う。

インターネット書店に関してはもう在庫量にはかなわないし、出かけなくても買える店頭では買いにくいものも買えるとか大量に買っても持ち帰る労力がいらないとかもうメリットだらけじゃない!と思う。デメリットは今すぐ読みたいが叶えられないことくらいだが、〇ライムみたいなサービスもあるからどんどん垣根がなくなっている気がする。

そんな業界でもなんで諦めたくないなあと思いつつ書店員をしているかというと、だいたいが書籍やコミックをあいしているという以外にない。個人的に本は熱量そのものだと思っているので、とくに紙でできたもの、紙の匂いがしてインクで印刷してあって手に重みが落ちるものであってほしい。単なる個人の矮小なこだわりのはなしで、電子書籍がそうじゃないと言っているわけではない。

文芸作品にしろ実用書にしろコミックにしろ、作者の方がいのちを削るかのごとく書いて熱量をかたちにしたものだと思うし、雑誌だって情報をくまなく届けるっていう熱意にあふれているのだろうし、出版社に勤める方たちもきっと良い作品を世に送り出したいって思っているのだろうなと考えているので、すごく熱量がこめられたそれをだれかの手に届けるというもたぶんこの仕事が楽しいひとつの理由。下がり気味とはいっても、まだまだ書店に足を運んで購入してくださる方はいらっしゃるので、それを必要としているだれか、もしくは必要とはしていなかったんだけどたまたま書店で出会ってしまっただれか。書店は末端だからこそ届けているという感覚がつよい。それに偶然の出会いなんてインターネットではあまりない店頭ならではのつよみだと思うし。むしろ即行性とそれが書店のだいたいの存在意義なのだろうとじぶんは感じているし、そういう出会いを作りたくて日々仕事をしている。

 

前置きが長くなってしまった。

 

もともとマンガは好きなのだけれど、なんというかまあ、趣味というより今は商材なので、火がつきそうだとか、棚に差すより積むほうが目に止まりそうとかそういう観点で見てしまうことが多くそこが悩ましい。正直個人的な嗜好からすれば読まないジャンルでも「これは売れるべき」と思うと推すし…好きなのは変わらなくても、むかしのようにただ純粋に探すってことができなくなっているのは感じる。そんな膨大な作品群の中でも個人的に今年印象的だった作品やできごといくつか。ランキングとかではない。

 

BLEACH(〜74巻 完結)

昨年から長期人気連載が軒並み終わっていくジャンプから今年、大好きな作品がついに去ってしまった。さみしい。だけど最後はなぜあんなに急ぎ足になってしまったのだろうか、というのは少々疑問。少なくともまだあと最低5巻分くらいはあるのではないかと思っていたので吃驚である。まあもっと読みたかったっていう未練かな…ん?これはスピンオフネタ?って思わせるような締め方ではあったのでまさかBLEACH2ndある??

空白などと揶揄されがちなあれを行間だと思っているくらいにはセンスに惚れこんでいたところも大きいので久保先生ご本人が描くなら読みたさある。が、今はまずお疲れさまでした。近々の巻では71巻収録のマユリとネムの件が最高だった。

BLEACH―ブリーチ― 71 (ジャンプコミックス)

BLEACH―ブリーチ― 71 (ジャンプコミックス)

 

ジャンプコミックスと言えば、春頃に『暗殺教室』の特典で実写映画の写真を使用したしおりをお渡していたのだけれど若い女の子から「これの山田くんバージョンないですか」とよく聞かれたのがジャニヲタ的には思い出に残っている(リバーシブルだったので、殺せんせーの面をひっくり返すと渚役の山田涼介くん)

 

・かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳心理戦~(〜3巻)

めずらしくラブコメ読んだ。両想いなのに自分ではなく相手から言わせたいがために繰り広げられる男女ふたりの脳フル回転の思考の読みあい、心理戦や舌戦がアホくさいしギャグかよなのだけれどもついニヨニヨしていした。常人以上の思考力のせいでななめ上をいってしまったり、恋愛においては初心者レベルでぽんこつだったりしてお可愛いこと…ふたりを取り巻く書記の藤原さんやかぐや様の近侍である早坂さんもかなり良いキャラクターだし、さらっと読んでわらえる軽さが気に入っている。この手のジャンルってかネタは引き伸ばししすぎるとおそらく失速するのでそのあたりが来年どうなるんでしょ。

www.s-manga.net

 

・不滅のあなたへ(連載中)

今年の夏に映画も公開された『聲の形』の大今良時の新連載。誰かによって世界に投げ込まれた「球」が物体を写しとって変化していく過程をその誰か(神?)が観察しているような1話からはじまる。未読の方はとにかく試し読みの1話読んでくださいとしか。姿は写し取れてもそのものにはなれないし、何も知らない球が出会いや経験を通して様々なものを獲得していくのが本筋ぽいけどそうしたら不死である球は最終的にどんな存在になるんだろ…球と違って生き物はいつか死んでしまうから、それこそたった一度の人生をどう生きるかってのが命題だったりするので、その対比も表現されるのかな。出版社の推しもネットの声もすごいけれど、この作品は1巻(1月発売)から劇的に跳ねる大ヒットになるか、それとも今後読む人を選ぶかどっちに転ぶのだろうと先行きが今いちばん気になっているある意味化け物のような存在の作品。きれいな絵で見せる哲学めいた世界観やよくわからんがすごい、みたいなものに圧倒されるようなところは確かにあると思う。わたしは1話を読んだときになぜかファイアパンチが脳裏をよぎった。1話掲載時の表紙の煽りを見るに、手塚先生に挑むって意味かなあ。火の鳥

www.shonenmagazine.com

 

・中間管理職トネガワ(~4巻)

これはカイジを知らないとおそらく面白さが半減……だが……!知っているひとが読めば……!実に愉快……!痛快……!圧倒的痛快っ……!

というかんじ。カイジ好きな人はみんな読んでいるのでは。

カイジに出てくる帝愛の利根川さんが主人公の公式スピンオフ。福本先生ご本人の作品(ご本人が描いた話が特別収録されている巻もある)ではないけれど、アシスタントの方が描いているらしく福本作品の絵柄はもちろん色や特徴そのままにギャグに落とし込んでいる秀逸な作品。ギャンブル漫画ではなく、利根川さんもブラック企業に勤める一サラリーマンとして、兵藤会長と部下の黒服のあいだで苦悩している面を描く。どこか哀愁や切なさも感じてしまうし、なんかかわいいおじさんに見えてくる。「限定ジャンケン」を黒服がパワポを無駄に駆使して作り上げた資料でプレゼンする回がすきすぎる。この利根川の「パワポ……!」の一言でも意味わかんないくらいわらえた。

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だいたいギャグでわらえるけれど、実際にこういうことありがちみたいなネタで切り込んでくるので、社会人としてはけっこう刺さる面もある。

このマンガがすごい!2017オトコ編 第1位受賞おめでとうございます!!

yanmaga.jp

 

東京タラレバ娘(~6巻)

アラサー女子のHPを削る攻撃力に於いて右に出るものがやはり今年もなかった。最近ありがちな「アラサー彼氏なしの処女が年下男子にアプローチされて胸きゅん歳の差ラブ!」とか「こじらせヲタのわたしがイケメンに告白されてドキドキ恋愛レッスン♥」みたいなノリだったら「はいはいファンタジーファンタジー」とこちらもノリで楽しめるが、これは読むとだいたいタコ殴りにされて精神がサンドバッグ状態だし、泡を吹いて気絶しそうになるか針の海に身を投じるか自ら業火に焼かれにいくか…もはや娯楽作品じゃない。そんな作品をなぜ自ら好んで読むのか?読み終わるとなぜか「働こう」「がんばらなきゃ」と奮起する。そんなパワーがある。というかおそらく「働かなきゃ」「もはや働くほかに道はない」がただしい。

kisscomic.com

実写ドラマになるのは時間の問題だった。ただあの独特なハイテンションと行き場のない焦燥をはたして実写に落とし込めるのか疑問。つーか白子とレバーの声は誰がやるのさ。

 

・あげくの果てのカノン(~2巻)

このマンガがすごい!2017 わたし編』の1位に推したい。

端的に言えば恋愛マンガだけれど、この作品の世界は「ゼリー」と呼ばれるエイリアンに襲来されていて、普通の日常はあってもやっぱり普通じゃない。そんなエイリアンと戦う組織にいる先輩にずっと片想いをしているのが主人公かのん。先輩(既婚者)の行きつけのお店でバイトして再会に賭けたりいざ再会できたら盗撮するわ(これはむかしから)会話密録するわでまあストーカーっぽいところはあってもずっとすきなんです。一生好きでいられるって言いきれるくらい。先輩はエイリアンとの戦闘のたびにからだを負傷して、それを回復させるための「修繕」によって性格や好みが変化をしていくので、かのんが好きになった高校のときの先輩はおそらくどこにもいない。だけどかのんは相変わらず先輩がすき…恋やすきになることに理由はないとはいえ、きっと何かしらひっかかるものや響くものがあるのだと思う。だけどもしもそれがかたちを失ったら、「すき」はどこへいくんだろう。恋に落ちる瞬間に理由はなくても、わたしたちは時にいろいろと後付けをしたがって、こういうところがすき、なんて言い出したりする。人間多少変わることはあってもやっぱり根本にはその人がいるはずだからたぶん安心できるのに、それがまるで変わってしまったら、その根本的なところさえ知らない人になってしまったらすきでいられるのだろうか、と考えるとそもそもすきとか恋ってなんだろう、第一なにを、どこを持って「すき」だと過信し、断言できるのだろう、これまでそうしてきたのだろうと考え込んでしまった。

あと、ここに描かれているかのんの恋は、恋そのものだと思う。個人的には恋はきらきらしたものなんかじゃなく、どちらかといえば醜態だと思っている。もっと言えばありとあらゆる不安定な情緒と感情を煮詰めてできたどろどろに、目に映る世界が変わるほどの眩しさを混ぜてできる振り切れるほどの狂気。表には出さなくとも、ストーカー的な行動には移さなくとも、どこかシンクロする部分が誰しもあるのではないかと思う。

装丁もいい。

www.shogakukan.co.jp 

 

・同居人はひざ、時々、頭のうえ。(~2巻)

今年は空前の猫ブーム来てたねってことで。猫マンガもいろいろと刊行されたイメージ。これまでもねこぱんちコミックスをはじめとしてコミックエッセイあたりでいろいろあったんだけど。

とにかくお転婆な陽ちゃん(猫)がかわいい。ちょっと目つきが悪いところもかわいい。癒される。外出や人と会うのも苦手な引きこもり系低体温男子である飼い主のことを「わたしがまもってあげる!」ってかんじなんだけど、この陽ちゃんも飼い主素晴くんも家族と別れているので、少しずつ近づいて家族や居場所になっていくのかなって話。素晴くんを取り巻く人たちが結構世話焼きで明るく彼とは正反対で、そういうひとたちとの関わりで彼も少しずつ変わっていくのだろうなあ。

comic-polaris.jp

甘々と稲妻(〜7巻)

夏アニメ作品。ふつうにわたしが好きなやつ。癒し。ごはんを誰かと食べるってしあわせでおいしくて、だいたい毎巻やさしくて泣いてる。基本的に飯マンガが好きで、食を通して日常や心の機微が描かれていたらより好きでどちらかと言えば店の食べ歩きよりもじぶんたちで作るともっといい。そういう意味ではこの作品が一番好き。実写ドラマになるかと思っていたが先にアニメになるとは。

 

3月のライオン(〜12巻)

12巻で川本家の父親問題が終結して、息詰まる重さがとれてようやく本来の良さが戻ってきた気がする。いつか川本家の話も描くのだろうとは思っていたけれど、ひなたのいじめ問題のあとに父親の話が予想外の展開で続いて読むのが少々辛いところがあったけれど、12巻でやっぱライオン好きだわ、と思えた。

『3月のライオン』羽海野チカ | 白泉社

 

・深夜のダメ恋図鑑(~2巻)

正直ずっと動きが鈍い作品だったんだけど(うちの店舗だけかもだけど)表紙からしてもう返品するのが惜しくてこういうのは今の時代に受けるんじゃないの…?と思っていたら、2巻発売のタイミングかなにかでネット広告に載ったみたいでじゃんじゃん売れた。女性陣もちょっと環境や設定が特殊であったりするし、登場するダメな男も待って、ここまでひどい人いる?とは突っ込みたくなるんだけど、深夜の女同士の本音がえぐいのはだいたいあってる。さわちゃんとおバカ彼氏のやりとりが1番好き。
www.petitcomic.com

 

ほかにも目を通したものも含めていろいろと読んだ気がするし、続刊があいかわらず安定して面白いものは多々あったけれど、今年は全体的に小粒で、大爆発した作品あったかな?くらいの印象。去年のダンジョン飯みたいな、一年通したマンガランキング系で絶対1位になるでしょ!ってわりと容易く予想できる作品がなかった。話題性という面ではいくつかあったけど、ランキングの上位にはつけてくるんだろうなあくらいで、なんかサブカル層の中だけでもう完結してない?ってかんじだったり…ライト層を巻き込まないと大爆発とは言えないし、たとえはじめはサブカル的なものだったり、濃いマンガ読みの方が目をつけていたものだったとしても浸透していってすごく広がったというはたぶん今年のランキングにはあまりない。情報の共有が早いから、正直瞬発力はあっても持続性がないことも多いし、もちろん良いものだからこそそれが作用しているってこともあるけれど、情報の多さで錯覚に陥ってしまっているものもおそらくある。ランキング自体が販売数や安定した面白さをもつタイトルの選定ではなく、いかに新しいもの掘り起こすかって主旨だろうからそれはそれでいいんだけど、大絶賛されていても店頭で全然回らないことは多々あった。地域性や客層によって売れ筋は変わるから、そのあたりの影響もあるかもしれないけど。

正直アニメ化原作の売れ行きもなかなか厳しくなっているのを感じる。『僕だけがいない街』や『Re :ゼロから始める異世界生活』(ライトノベル)は跳ねたけどもう売れて売れてしょうがないっていう体感があったものは夏頃からはあまりない気がする。

君の名は。』のヒットのおかげか、関連書籍をはじめ、新開監督作品のコミックは好評だった。

個人的にはアニメに関しては続けて観る時間がなかなかとれないのと、だいたい二期ほど前から在庫を確保できるように準備しているので、はじまる頃には在庫が揃ったことに満足していたり、次やその次の準備に取りかかっていて観るところまでなかなか至らない。怠慢だ…

でもこれはきちんと観ようと思って3月のライオンは観ている。土曜11時という時間帯なのでリアルタイムしていたら母親が突如としてはまったwおそらく好きそう、という感覚はあって、以前からこのマンガの話題を夕飯の時間に持ち込んだりしていたのだけれど、やはり百聞は一見にしかず、というのか自分で目の当たりにしないとなかなか引っ掛からないものだなあと思った。ライオンは発表されたときや日常話しているときは、うん?シャフト…?と感じることが多かったけれど、心象風景を描くときはあ〜〜こういうことかと納得だし、このあいだ香子が出てきたときはもう香子さんただのシャフトのファムファタールやんくらいの勢いだった。3か月目にして未だ2巻の途中までしか描かれていないという丁寧な作り方で、いったい何クールで原作のどこまでいくのだろう。島田さんや宗谷さんの声優さんが決まっているところを見ると、2クールはありそう。序盤の中では2巻のラストがとても好きなシーンなので、そこが放送されるのが楽しみ。

それと鉄血のオルフェンズくらいしか観ていないのでわたしもうアニヲタ名乗るのやめるわごめん…刀剣乱舞をプレイし続けていれば花丸を観ていたんだろうなーと思うんだけど、検非違使登場したあたりからめんどうになってきてしまって、ちょうど鶴丸がカンストしたからやめてしまった。『ユーリ!!! on ICE』がちょっと気になってユリオのビジュアルを見たときになんとなく転がり落ちる未来しか想像できなかったので、それもやめたけどフィギュア観るの好きだし、DVDレンタルはじまったら結局観るかも。

趣味(主にジャニーズ)が増えたせいでここ数年どうしても金銭的な比重がそちらに傾くことが多く、4月に二次ヲタ人生一旦完結させるわ的なことを言っていたんだけどなんだかそのとおりになった。それに加えて、アニメにしろゲームにしろ女子の覇権ひととおり通るぜ!みたいな時代はわたしの人生の中ではもう終わったんだろうな。たぶん『Free!』がさいごだった。結局歳かなってところに落ち着いて悲しいねえってはなしなのだけれど、やっぱりめまぐるしすぎてああ、もうむり、っていうのが事実だからしょうがない。前回も書いたけれど、それでもきっとまた「これは」って作品に出会うときが来ると思うのでそのときには全力で楽しみたい所存。とりあえず来年、黒子のバスケの新作映画は楽しみにしている。

 

 

 

2016年ヲタ的備忘録①アイドルと音楽

仕事を今年いっぱいでやめたかったのだけれどずるずる続けている。仕事の内容的には大好きすぎるのだが、いろいろと会社的に問題が山積みだし、報酬的な意味ではこの先の楽しみすらないから老後が不安すぎて悩むことにも疲れた。わかっていて入社したんでしょとかでも好きな仕事しているんでしょというのはもっともな意見だと思うが、いろいろと納得がいかないことや見返りのなさが多すぎる。社会や会社、仕事なんてそんなもののだと頭では理解しつつも、苦しい。とにかく。禿げそう。

ただ仕事内容は好きだ。気分と合理の両方で迷っているよ~(by自由へ道連れ/椎名林檎)ってかんじだ。林檎さん、今年もわたしをなんとか生かしてくれてありがとう。紅白楽しみにしてます。今年、曲ないけどどうするんだ。


椎名林檎 - 自由へ道連れ

 

さて、気が早いけれども、今年の総括をしようと思う。ジャニーズやアイドルのほか、聴いたCD、良かった漫画やアニメのことを備忘録的にだらだらとまとめる。

今年は実に一年の半分が病気という、「健康が資本」をどこかに置き忘れたような一年だった。現場なんてほとんど行けなかったし、行きたかったライブも行けなかった。夏冬どちらのコミケにも参加しないのも久しぶりだ。これは休みの都合や金銭事情も濃密に関係しているので、こういうことを考えだすと結局、土日休みの仕事につきたい!ボーナスや昇給がすこしでもある会社に入社したい!という現実的な問題が浮き彫りにしかならずどんよりとしてしまうし、キスマイのライブが決まったりするともうその瞬間から休めるだろうか…と胃を痛めることになるのだけれど、平日休みの恩恵でアイランドは当選できたのだからもうイーブンと思うしかない。欲張りすぎは身を滅ぼす…

苦しかった一年の最後に年末調整のように藤ヶ谷くん関連のことが起こることが多く(空港でのハイタッチ会とか。たまたま休みだった)結局わたしはここ数年藤ヶ谷くんに救われている。ありがとうたいぴ。プーさんの仮装、あざとくて良かったよ!(褒めてる)

 

2016年わたしの三大アイドル

Kis-My-Ft2

 まずはキスマイ。いやあもう夏のコンサートが本当に最高だったね、と。

 

rubyk.hatenablog.com

 この記憶と来月のDVDの発売だけで下半期生きてこれたよねってくらいによかった。avexにもお歳暮贈りたい。アルバムが発売したときもそうだったけれど、今度のDVDに関しても、あれ?キスマイのプロジェクトチームにもしかしてキスマイ担いる?ってくらい「わかってる」みがすごい。特典映像やマルチアングル曲の選択、CMの作り方見せ方など「お前…!」ってなることが多くてまさに『俺たちのavex』だった。俺たちのavexがまたやってくれたぜ…!抱いて…!なんて今年何度飛び出てきただろう(じぶんとうちの玉森担内)追いシャラ騒動も今年か。なんだろう、2016年はなんとなーくキスマイの活動が小粒だった気がするのだけれど、ファンとavexで本人たちを取り巻く風をびゅんびゅん吹かせてた気がしてならない。もしかしたら本人たちにはなかなか苦しかった一年かもしれないと思う面もあるのだけれど…

そういえば『日経エンターティンメント』の通信簿を読んで、もうなんていうかいつも言うことだけれど自担だった。プライベートの藤ヶ谷太輔のことは知らないしどうでもいいのだけれど、わたしの目から見えているアイドルの藤ヶ谷くんとアイドルの藤ヶ谷くんが思っていることにそんなに相違がないのだな、と感じた。もちろん彼の全部をわかっているというつもりもそんな意味もないのだけれど、いいことも悪いことも含めて彼の発信がちゃんと伝わっていたし、じぶんも受け取れていたのだな、と思えた。

あ、そういえば今年potatoのソロ表紙のときに言っていたファンになんと呼んでほしい?って質問の答えが「太輔」だったと思うんだけどいまだに呼べない(どうでもいい) ごめんなさい、これ言ってなかった。正しくは藤ヶ谷太輔のファンはどんな人?という質問だった。Winkupのソロのほうかもしれないと思ったんだけどそんな企画あったっけ?もうわからない…でも今年読んだ気がするんだ…どれなのよ…

たいぴ、たいぴちゃん、たいぴちあ、おたい、たいちゃん、たいさま、おたいさま、太輔くん、藤ヶ谷くん、ガヤさん、ガヤさまなどと変幻自在に呼んでしまっているが、呼び捨ては気恥ずかしくて今年も無理だった(どうでもいい)

あとはキスマイレージに濱口先輩が帰ってきてくれたのがわたしはうれしい。期間限定かもしれないけれど、過酷なキスマイを観るのが好きだ。身体を張ってがんばっている彼らが好きです。おもしろいです。キスマイはトークスキルとかは正直あるとは言えないし、MCもくっそつまらん(小声)ってなるときもある。でもじぶんたちだけでおもしろくなる必要も特別ないというか。誰かによっておもしろく仕上げてもらえるのであればそれはそれで個性であり強みでもあるのではないかな。テレビのバラエティだし。どんなふうにでもなれる。決して没個性ではなく柔軟にかたちを変えることができるのも立派ないいところだと思う。個人的にはキスマイに芸人的なおもしろさを求めていないし、そこにキスマイの魅力は存在していないと思っていて、あの日のMステみたいにパフォーマンスで魅せることができるし痺れるんだからわたしはそれでいいかな。それにまだ五年。必要とあらばきっといくらでもスタイルを変えたり、試行錯誤をしようとするだろう。彼らはそういうひとたちだ。

最近は活動が多様化していてただただアイドルしているだけでは生き残れない時代だとは思うし、みんなものすごく器用だからなんでもやってしまうしなんでもこなしてしまってすごいとは思うけれど、魅力の在り方はそれぞれだからね。だからこそいろいろな色のグループが成り立つわけで。ファンだからこそ見えてくる部分、各々感じる問題があったとしても、ファンはファンでしかなくてタレントを大幅に変えることなんてできないのだし、じぶんの求める理想のかたちになるなんてありえないからうまく折り合いをつけて追いかけていくしかなさそう。そりゃわたしだって不安や心配はあるし、キスマイがこの先どんどん大きくそして更にかっこよくなってほしいって気持ちもあるしそのためにこうなったらいいなとかあるけれど、届かないしな。本当に駄目だって思ったら降りてじぶんが求めるところや好きなところを体現してくれるグループに行く選択だってあるわけだし。そこにもアイデンティティを揺るがすほどの葛藤が存在するのかもしれないけれど。うーん?と思う部分やあれ?と思うことがあっても結局追いかけてしまうのはもはや「好き」以外なにものでもないのだろうし、悪いことや不安はいくつでも具体的に理由を並べてしまえるけれど、好きというのは往々にして理由やことばにはできないから、どうしても不満が口をついて出てくるのはしかたがないことではあるけれども。

わたしはたとえMCがくっそつまらんと思ってもコンサートに通い続けているわけだから、好き以外にないし、それを補ってあまりある魅力があるんだキスマイには。

キスマイの今年のベストソングは『I SCREAM NIGHT』『Flamingo』

 

CONCERT TOUR 2016 I SCREAM(初回生産限定盤) [DVD]
 

 

KAT-TUN 

KAT-TUNは4月から充電期間に入ってしまったけれど、今年一番音楽聴いたりDVD観たアイドルかもしれない。10Ks!が最高だったのは言わずもがな。夏頃はほぼ毎日10Ks!のDVD観ていた。そういや感想書いて下書きにいれたままだ。

今は出演番組を観たり、マキア買うとかジャニーズWebの連載の企画に応募するとかそういうことしかなかなかできないんだけれど。来年は亀梨くんの映画『PとJK』『美しい星』楽しみ。まだ仕事続けていたら原作をがっつり展開して映画ヒットのバックアップします。中丸くんや上田くんもドラマや舞台ないかなあ。

余談だけれど、某歌詠みアプリでちょこちょこ趣味で短歌を詠んでいて、彼らに関していくつか詠んだくらいとにかく存在がエモかった。

KAT-TUNはライブの記憶が一生ものな『UNLOCK』、純粋に曲だけだと『TOKYO STARRY』

 

 

欅坂46

 わたしは元々女子アイドルはももクロでんぱ組.incがすきで、48系46系はあまり詳しくないのだけれど欅坂はサイレント・マジョリティがものすごく刺さった。乃木坂の『制服のマネキン』に続く良さ。

どうもわたしはアイドルが潔癖な無表情で歌うのが好きらしい。衣装もかっこよかった。もっと若かったらサイマジョに歌われているようなことにかなり共感していただろうし、実際むかしはこういうことをよく考えていたのだけれど、今となってはわたしはもう彼女たちが言うところの「支配されてはいけない大人」のほうなのだなと思うとなかなか切ない。

最近欅坂が歌っている『二人セゾン』もいい。メロディが絶妙だし、ノスタルジックさと、乾いた風が吹き抜けていってしまうような空気感が気に入っている。

欅坂にサイマジョのような世界観を書く一方でAKB48『ハイテンション』HKT48『最高かよ』にある「ええじゃないか」感の降り幅を見るといろいろ言われているところはあっても秋元さんって世相の映し方すごいのですね…ドルヲタでもない一般人の意見だけど閉塞した時代を両極端な方向から書いてるってかんじ。ちなみに『ハイテンション』も相当好きだ。

 

二人セゾン(TYPE-A)(DVD付)

二人セゾン(TYPE-A)(DVD付)

 

 

 

音楽

むかしのばかり聴いていて新しいCD自体あまり通して聴かなかった年だけれど、今年発売したもので三枚。

 

宇多田ヒカル/Fantome

ヒカルちゃんとイエモンの復活に立ち会えただけで2016年に生きている意味があったなと思えた。ここに収録されている『二時間のバカンス』はフィーチャリング椎名林檎でEMIガールズ復活もこのうえない幸せなうえに、歌詞もMVもそこはかとない百合みがあってやばすぎた。天才の競演。饗宴。

『道』は2016年JPOP自分ランキング1位。

 

Fantôme

Fantôme

 

 

THE YELLOW MONKEY/砂の塔(初回限定盤)

上におなじ。わざわざ初回限定盤なのは、表題曲とスマスマで歌っていた『ALRIGHT』のほかになんとライブ録音が12曲も収録されているという空前絶後、驚天動地の豪華盤だから。選曲もヒット曲多めでもはやベストアルバムじゃん。だがこれで1200円。最高かよ。『WELCOME TO MY DOG HOUSE』を今のイエモンで聴けたことが奇跡。

 

砂の塔【初回限定盤】

砂の塔【初回限定盤】

 

 

[Alexandros]/EXIST!

『Girl A』と『Feel like』が良かっただけにとても期待していたらそれを裏切らない名盤だった。『Where‘s My Potato?』のころからだいぶ変わったように思っていたけれど、その頃の空気感もどこか混ざってる感じ。ベストトラックは『青山』

 

EXIST!(通常盤)

EXIST!(通常盤)

 

 

 道とサイマジョのほかに食指が動いたJ-POPベスト5。順位はとくにない。

・恋/星野源

 逃げ恥の影響が大きい。「星野源(というか平匡さん)を見ているとわたしのなかのサブカルクソ女が騒ぎ出す」byうちの玉森担 わたしも同じくである。


星野 源 - 恋 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】

 

・JINTAKA/Choo Choo SHITAIN

 SO COOOOOOOOOL!!


JINTAKA - Choo Choo SHITAIN MV

 

ポルカドットスティングレイ/テレキャスター・ストライプ

 東京事変とか椎名林檎のフォロワー感がすごいけれど、聴いているうちに気に入ってしまった。タワレコ限定で出したCD「骨抜きE.P」がなかなか好評な模様。2017年の最重要新人バンドだろうな。


ポルカドットスティングレイ「テレキャスター・ストライプ」MV

 

・夢とバッハとカフェインと/The Birthday

 やっぱりどうしたってかっこよかった。チバユウスケが書くこういう歌詞の曲は聴いてると細かいこととかどうでもよくなるのに、やっぱりすべてがどうでもよくなくなってだいたい泣いてる。


The Birthday - 夢とバッハとカフェインと (Music Video)

 

・Butterfly/BUMP OF CHICKEN

  まさかのEDMで仰天した。でも『RAY』から繋がっているのかもしれないし、不思議と親和性あるな…というかんじ。出たのが冬だった気がする。ラストのシフトだと昼休憩が夜なんだけど、そういうときに寒い空の下で聴いてなんか泣いてた。今期放送中の『三月のライオン』のOPもすき。


BUMP OF CHICKEN「Butterfly」

 

歳をとってきたせいもあるのか、新しい音楽事情についていけなくなりつつあって、年上のひととかが最近の音楽はよくわからないと言う気持ちがなんとなくわかってきていたり、手広く情報を掴めなくなってきているのを感じる。情報が多すぎて溢れているし、つぎの瞬間にはすでに消費されているような時代のせいもあるかもしれないけれど、うまく掬いとれないのはやっぱり歳だな。

生きているうちに新旧問わず読みたい本やマンガ、観たい映画やアニメ、聴きたいCDや観たいライブは無限にあって、そのなるべく多くを知りたいけれど時間は有限という無常。結局選択していくしかないから、来年はその選択できる機会を増やしたい所存。だけど今は選ばないとしてもきっといつか必要なときにそういうタイミングで出会うのだろうからあまり構えてもな…とも思う。ただ興味がわいたときにそこに奔走できるような俊敏性は持ち合わせていたい。ぐちゃぐちゃ考えるよりも先に、手を伸ばしたほうがいいこともある気がする。

 マンガのことも書いてみたらジャンルが違って微妙すぎたのでまたべつの機会にしようと思う。

 

 

 

 

10月11日のはなし。

わーいベストジーニスト賞殿堂入りしたよおおおおおおおおおおおおおめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

ってかんじで当日記事を書きたかったんだけど、いまさらになってしまった。どういうテンションで書いたらいいものか正直わからなくなって置いていたら一週間も時間がたってしまった。

あの日は朝にオルフェンズを観てたぎったままに感想をぶちまけて、あとはお昼の発表を待とうって思っていたらベストジーニストの結果を知る前にBOOM BOOM SATELLITESの川島さんが亡くなったというニュースを見つけて、あまりにショックすぎてベストジーニストがしばらく飛んだ。しばらくしてから結果を見て、嗚呼とれたんだなって安心して良かったって思ったんだけれど、悲しいきもちとうれしいきもちが混在する複雑な心境に陥ってどうしていいのかわからなかった。

人の死とベストジーニストという、介在するもののまったくないふたつのことがらを比べるつもりもないし、性質のちがいすぎるそれを一緒くたにかんがえるべきではないというのはまっとうなはなしだと思うが、ふたりともわたしにとっては「すき」というおなじ地平にあるものなので、感情の置き場がどこにも見当たらなかった。すきなきもちの発生源がぜんぜんちがうふたりではあるけれども、どちらもわたしの人生に「恰好の良いひと」として存在してくれている点においてはなにも変わりはないのだ。逆に言えば、比べたりできるものではないからこそ、こうしてどちらのできごともばらばらに、両極端な位置で胸の中に同時に落ちてくる。

虚無感のような心境の中でぼんやりと川島さんのことを想い「KICK IT OUT」をはじめて聴いて一瞬でつかまれたときの興奮を思い出しとまらなくなる一方で、殿堂入りできてすっごくうれしいだろうなあと藤ヶ谷くんのことを想うとうれしくなるのはどちらもまちがいでもうそでもなく、いったりきたりしてなんの折り合いもつけられなかった。

ただ言えるのは、プレイボタンを押せばブンサテはやっぱりかっこよくてしょうがないし、そこに嗚呼もう川島さんはいないのだな、という切なさが混じることになってもこれからも聴き続けることに変わりはないし、いつまでもかっこよくてしょうがないと思うのだろうと思う。そして、三年間の中で今年のコーデがいちばんすきだったしほんと素敵だったし「ジーンズには人生が出る」と言いすぎていじられたり戸惑ったりする藤ヶ谷くんのかわいさもプライスレスだし彼の夢を叶えられてよかったなあ職場のPCからも投票した甲斐があった(小声)と思えて、これからもわたしができるかぎりでの彼の夢を叶えたいなあと思う、そのどちらもまぎれもなくほんとうのきもちだということだ。

 

この記事に不快になる人がいたらごめんなさい。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第1期完走の感想。

 前回、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』放送直前SPを観たことを書いた。

rubyk.hatenablog.com

あのあとさっそく鑑賞開始、先日ついに25話まで観終わったので感想を書こうと思っている。26話の見逃し配信期間中に間に合ったーーー!!第2期のスタートを観ずに毎週観るのは微妙だし、かといってDVD出るまで待てないしな。

わたし自身は前回も書いているように、ガンダムには詳しくないので「ガンダム」の名を冠した作品としての「鉄血のオルフェンズ」の評価はわからないのだが、わたしのようなニワカが観たオルフェンズはおもしろすぎて毎話震えてたよ…!

 

以下感想はがっつりネタバレ含んで投下します。進行中の方はお気をつけて。ガノタの方がもし読んでいたら、ニワカの感想だと思ってお手柔らかにお願いします。

いつもジャニネタでブログ書いているわたしですが、今回はジャニーズはぜんぜん関係のない内容です。あ、でも一言だけ。たいぴちゃん、あなたがジーンズを愛する気持ちがことしもかたちになりますように。

 

 これ欲しいわ…買うか…って思ったんだけどプレミアついてた。

 

 

とりあえず感想のまえに声を大にして言いたいのは

ビスケットのネタバレ、放送しちゃだめなやつじゃね??

いや、2期の直前スペシャルだから、1期観た人が見ているだろうという前提かもしれないし、インパクト大のシーンを見せて一気に惹きつける目的もあったのかもしれない。だけどあの番組で惹かれて円盤買ったりレンタルに走るひとがいるかもしれないことを考えるとあれ一番やっちゃダメなやつじゃないかなーそもそもまずあそこに召喚された宮田くんは未視聴のひとだしな…

というのも、わたし自身は視聴前にビスケットというキャラの立場をよく理解していたわけじゃないので、大勢いる仲間のうちのひとりで、とはいえそのなかでも主要キャラクターなのだろうくらいの感覚でいた。もちろん戦いを描くわけなので仲間の死という描写は避けられないだろうし、おそらくビスケットという子だけじゃなく色々な仲間が死んでいく鬱展開なんだろうな…と思い描いたのよね。

いざ、見始めるとビスケット超~~~~~重要キャラでやんの。しかも参謀、冷静、頭脳、やさしさ、ストッパー、お兄ちゃん、可愛い双子の妹、そしてふくよかなかわいさによる癒し効果、CV:花江夏樹といういくつもの要素を兼ね備えているうえに、このひとがいてくれるから大丈夫だよね、っていう主人公の三日月さんとはちがうベクトルでの安心と信頼を寄せられるキャラクターだったからびっくりだよね。

ビスケットの死をネタバレするのは、昌弘からフミタン、そしてビスケットという過程で死を描いた意味がなくなってしまうんじゃないかなーと思った。戦いのなかで犠牲になった少年も敵もたくさんいるのだけれど、鉄華団のメインキャラクターのなかで唯一の死だし、あれをトリガーとして最後の分岐に入っていくような重要なポイントだったし…それこそさいしょの感覚だとシノとかユージンあたりのキャラもがんがん死ぬんでしょ?みたいなかんじだったんですよ。でもそれはなかった、みたいな…

まあ最初から観ていればなんの問題もなかったわけだからわるいのはわたしなんですけどねw四の五の言ってんじゃねえ!ってかんじですねw

 

さて、作品の感想。

 

まず、キャラクターがみなとても良かった。主人公の三日月・オーガスだけど、たいぴ*1ではなかったなふつうにwそれにミステリアスって説明していたけどべつに秘密主義っぽくはないように感じた。躊躇なく「ありが」パンパンつって銃声鳴らしたり、人殺しを楽しんでいるだろ!?って言われるくらい戦闘に於いて冷徹だったり狂気じみた面はあるけれど、仲間(と認めたひと)傷つけるやつ絶対許さないマンだったりやさしいところもあったり、天然ジゴロだったり…なかなかのキャラだと思いますやっぱすげえよミカは…ただなーオルガとの関係性はうーーーーーんなんだろう…信頼とか絆とかもはやそういうことばではかんたんに言い表すことができないし、うーーーーん共依存とかにちかいのかなあ…?三日月→オルガもなかなかだけど、オルガ→三日月もなんかこわいんだよねえ…囚われてるかんじがする。22話だったかな、ビスケットがいなくなって再起不能寸前に陥ったオルガの立ち直らせ方は正直すっごいこわかった。あれが三日月さんなりの(っていうか三日月さんにしかできない)オルガにしか届かない喝の入れ方のようにも思えるけど、それだけでもなさそうに感じる描き方だったんだよねえ…何度も描かれていた過去のシーンにヒントがありそうですが、それは2期で紐解かれるのでしょうか。

 三日月だけじゃなく鉄華団自体、生きていくためにしなければならないことのためにするっていう、戦争がどうかとか人殺しがどうかとかそんなことを机上で論じている場合ではなく、今日を明日を生きていくためにどう動くのか、という印象を受けました。弾除けや撒き餌扱いをされ、使い捨てられようとする彼らにはそういう選択しかないだろうし、冷静な当然の選択なのだろうなーと。だけどなんか儚さもかんじましたね、前に進むしかないぶん強くもあるのだけれど捨て身にちかい強さだし、少年たちの揺らぎや孤独、脆さもそこにみちゃうみたいな…BBAだからさ!

だから、そうやって身を寄せ合うこどもの彼らがタービンズと出会えてよかったと思うんですよね。これまでまわりの大人=クズくらいの認識(おやっさんはべつ♡)だったんでしょうが、そうじゃないひとも広い世界に出てみればいるっていうか。とつぜんの任侠みにはわらったんだけど、よくよくかんがえてみれば、鉄華団っていうネーミングだって、血が固まって鉄みたいに云々って言っていたし、もともと他人が寄り合ってひとつのコミュニティに家族くらいに濃いつながりでいるって、それこそ任侠の世界だなと思うので、なるほどな~と。

ヒューマンデブリであることをことあるごとに卑下していた昭弘が弟の昌弘との再会で話したすべてと「楽しかったから俺がゴミだってこと忘れてた」って語るあたりがすきすぎるんだけど、居場所をじぶんたちで作っていくのと同時にそこをじぶんの居場所であることをゆるしてくれるひとがいるっていうのも大切だよなと思った。

昭弘と言えば、いや~~もうラフタとアジーさん生きてて良かったよね;;;;

派手が過ぎるくらいにフラグを乱立しまくって、教科書どおりかってくらいきれいに回収していくっていうのがつづいたから、ペディキュア塗る描写が頻繁に出ていたラフタなんて仮に生きてても足失うんじゃないかとかもう操縦できなくなるんじゃないかと思ったし…

 まともなおとなと言えば、メリビットさんもそうだと思うんだけど、彼女に関してはまともがすぎて

 

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これ。

たしかに「弔い合戦だ!」ってオルガが言いだしたときはひぇえええっ暴走!ってなったし、メリビットさんの言うこともごもっともなんだけどね…でもなんかおとなすぎたよね…ああいう世界で生きてきた子たちだし、片や銀行部門で働いていたひとだし…

あと、Wヒロイン?をはじめ、女性のキャラがすごくすきでした。アトラちゃんの「ふつう」さはストーリーの要所要所で効いていたし、クーデリアもどんどん成長してかっこよくなっていたし、タービンズの面々なんて最高ですよほんと…アミダ姐さーん!女性は強いよね。嗚呼でもフミタンの回はな…フラグ立ちまくってたからわかってたけど、うっ;;;;

カルタも敵側だけど良かったなあ。CV:井上さんつよすぎ…幼いころのマクギリスとのやりとり、ああいうところがすごくいいですよね素直じゃないけど。ツンデレ発揮して部下に苦笑いされちゃうかんじからするに愛されるポンコツ(ひどい)

マクギリスにはああいう高潔さみたいなところが疎ましかったのかもなーこれはガエリオにも言えると思うんだけど貴族育ちで結構世間知らずっていうか温室育ちっていうか、なんか正しすぎるんじゃないかな。ガエリオの正しさってまさに純度の高い正しさだったし。正義の主人公を描くならガエリオみたいなひとなんだろうね。マクギリスと対峙して泣いているガエリオ、ほんとただの主人公だった。

そんな細胞の隅々まで真っ黒なチョコの人マクギリスさん、ほんっといい声出すなあ!!!!!

あの声になら騙されてもいいわむしろ騙してくれ…ベストオブいい声は、アルミリアに向けた「踊らないのかい?」です。絶妙なトーン…!

マクギリスはどうもファリド家に拾われる前は三日月たちとおなじようなかんじだったのかな?ギャラルホルンの改革云々言ってたけどそれは表向きで真の目的は復讐だよね?でももうお義父さまを島流しにしちゃってだいぶ遂行できてないか?セブンスターズ内の地位くらい?あとギャラルホルン自体崩壊させたいとか…過去に関係したなにかが更にあるのかどうかは2期しだいかなって思うけど、27話観たかぎりではラスボスっぽさがあまりないように思えた。これも計算なのかもしれないけど…

マクギリスまさに外道キャラだと思うけど、なんか嫌いになれないんだよな。すきですよマッキー。わたしのなかではネタになりつつあるごめん。だって「内通者がいるんだろう、腐敗ここに極まれり」キリッとかわらってまうやろ…

 

 ストーリーでびっくりしたのは「阿頼耶識」というシステム。MSとじぶんを接続…?脳に直接情報を送り込む…?阿頼耶識という言葉は仏教用語で「無意識」みたいなことをいうらしいので、まあ神経接続…MSとじぶんが一体化するようなそんなかんじなのかな?だからじぶんの身体みたいに動けるっていう認識でOKなんですかね。観ている限りでは攻撃された場所とおなじからだの部位に痛みが連動するようなことはなさそうだったけれど、最終話にてバルバトスとの関わりを深くした三日月さんの目と右腕のことを思うと、阿頼耶識を使うことによってでかいデメリットがなにかしらはあるんでしょうね。今も負担かけてるけど、もっとどうしようもなく絶望的なやつ。しかしアインの阿頼耶識はどうせそんなことになるんだろうと思ってたよ…っていう虚無感しかなかったな。あれもフラグかもな。

 しかし前半はほんとうに熱い展開だった!個人的にすきだったのは第4話~6話。そのあとのタービンズとのあれこれも良きだからこのあたりは夢中になっちゃって睡眠時間削って観た。しごと中めっちゃ眠かったけど、帰ったら続き観るんだ…!で乗り越えてるあたりなんだかアニヲタになったばかりのころを思い出した。2周しちゃった。

まず大荷物持って志願しにきたアトラちゃんかわいい大正義だしね…ユージンの見せ場も熱かったし戦闘のテンポや描写も良くて手に汗握るじゃないけどほんとうにわくわくした。マクギリスやガエリオと交戦したのもここがはじめてだったし。

「迎えに来たぜ、大将!」

「時間どおり!いい仕事だぜ昭広!」

のとこの昭広最高すぎて惚れた…6話はほぼ日常話で、オルフェンズは戦闘少ないって言われているみたいだし、確かに毎回戦闘があるわけじゃないな?とは思うんだけれど、成長や変化が観られる日常回はけっこうすきです。うまく言えないんだけど、生きているってかんじがします。だから切ないけど第13話「葬送」もいい回だった。あれこそ生だなって思うな。あと大気圏突入のシーンも印象に残っている。敵のモビルスーツ盾にするとかさすが三日月さん…あんときのアトラのぐっちゃぐちゃの顔かわいい天使か。こんだけアトラかわいいかわいい言ってるけどわたしクーデリア派なんだわごめん。

ただ、後半、特に地球に入ってからは熱いというより凄惨な展開へ巻き込まれていったり自ら進んだりな鉄華団っつーかオルガだったから、最悪三日月さんとオルガ以外((ユージンとかは別だったけど)これは勘違いだった。後半も2周したら24話にてちゃんと加勢していた)

全員死…ってラスト予想したしむしろそれ以外ないだろ…な選択だったからラストがすこしぬるめだったような…?いや、全滅ENDじゃなくて良かったんだけど、あそこまで都合よくいくかなあ…とも思った。それこそじゃあなんであの時点でビスケット死なせた…っていう。うーん…ビスケットがいなくなったことと、それによって歯止めが効かなくなってあの選択しかなかったっていうのはわかるんだけど…

ドルトの労働者のデモとかも、あ~やりたいことってか描きたいこといっぱいあるのかな~って思ったけど、いろいろ広がりすぎて急にぼんやりしたように感じたのは否めなかった※追記:2周したらなんとなくつながった。理解力の問題だった。

でも久々にぐっと来た作品であることには変わりなかったし、これだけ夢中になったのはひさしぶりだった。知識なさすぎて歴代の作品との繋がりだとか、どう違うなにが違うってこともガンダムとしてどうなのかってこともわからないのだけれど、知らずに過ぎなくてよかったと思える作品だったことに間違いはないです。なんかとっ散らかった感想になってしまったけど…

モビルスーツモンタークさんの赤い機体がかっこよかったな!カラーリングとしゅっとしたのが好み。名前調べたら「グリムゲルデ」だったからさらに良き。バルバトスの武器も鈍器系だったり太刀だったりしてわくわくさせてもらいました。

 

27話からリアルタイム…と言っても日5はだいたい働いているので真のリアタイではないんだけど、追いついたので観ています。

気になるポイントがすでにたくさんあって非常に楽しみです。OPには不穏な三日月さんの姿もあって壮絶な展開になりそうだなあ…と思っているところであります。

毎週待ち遠しくてたまらなくなりそう。

*1:Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔。竹若さんたちのミステリアスな主人公という説明を受けて、宮田くんがキスマイメンバーに例えた